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インバウンド ■第2802号《2015年6月20日(土)発行》    
 

観光庁、広域周遊の7ルート決定

 観光庁が推進する訪日外国人向けの広域観光周遊ルートづくりで、12日、申請のあった7ルートの形成計画が国土交通相の認定を受けた。中部エリアの「昇龍道」、瀬戸内海エリアの「せとうち・海の道」、九州エリアの「温泉アイランド九州」などが認定された。魅力づくりや受け入れ態勢の整備などの事業を国費で支援。海外への情報発信を強化して外国人旅行の地方への拡大を促す。

 広域観光周遊ルートづくりは、ゴールデンルート以外のエリアに外国人旅行者を呼び込み、全国津々浦々にインバウンド消費を喚起するのが狙い。観光庁が、複数の地方自治体や観光関係団体で構成する組織・団体から形成計画を募集していた。

 「昇龍道」は2012年に官民でプロジェクトを開始して整備を進めている広域観光エリア。自然、歴史、ものづくり文化などをテーマに、アジア、米国を中心に誘客を進める。中部空港、東海道・北陸新幹線を利用してゴールデンルートから旅行者を呼び込む。

 「せとうち・海の道」は、瀬戸内海の景観などをPRし、ゴールデンルートの延長線上に周遊ルートを形成する。欧米の富裕層などをメーンターゲットに設定している。

 「温泉アイランド九州」は、全国一の源泉数と湧出量を誇る温泉をはじめ自然、食などを観光資源として、東アジア、欧州から個人客を誘致。福岡から九州各地に外国人旅行を拡大する。

 このほか北海道東部、東北、関西、四国の各エリアの計画も認定された。

 「アジアの宝 悠久の自然美への道 ひがし北・海・道」は、自然、食などをアピールし、富裕層を道東に誘客する。札幌地区に集中している外国人旅行者を道東各地に呼び込む。

 「日本の奥の院・東北探訪ルート」は、仙台空港のほか、首都圏、函館から東北地方への誘客を目指す。東北ならではの自然、歴史・文化などを紹介。台湾、香港などの個人旅行が主なターゲット。東日本大震災からの復興にもつなげる。

 関西エリアは、「美の伝説」として五つの世界遺産をはじめとする豊富な歴史遺産などを観光資源として、東南アジア、欧米のリピーターなどを狙う。京都、大阪から関西各地への誘客を拡大する。

 「スピリチュアルな島〜四国遍路〜」は、“お遍路”や“お接待”の文化、史跡などを生かす。コンパクトで素朴な四国の魅力を発信。欧米などからの誘客を強化する。

 各ルートの計画には、集客の中核となる「広域観光拠点地区」、拠点地区と一体となって広域観光を促進する「広域観光促進地域」、観光導線を示す「主要広域観光ルート」などを定めている。

 支援事業の今年度予算は約3億円で、事業費の50%を補助する。



北海道、10〜12月期の外国人客は4割増
 北海道は8日、2014年10〜12月期の観光入込客数(実人数)の調査結果を発表した。冬季の悪天候などの影響はあったが、10年に1度と言われる紅葉の美しさ、10月の3連休の好天などに恵まれ、前年同期比2.9%増の862万人になった。このうち外国人は約4割の伸びを示した。

 道内客は1.9%増の708万人で全体の82.1%を占めた。内訳は日帰りが2.4%増の465万人、宿泊が1.3%増の243万人だった。道外(国内)客は0.8%増の120万人となった。

 外国人客は40.2%増の33万人。消費税免税の対象品目の拡大、10月の新千歳—上海便、12月の新千歳—香港便の新規就航などが増加要因となった。

 外国人を国・地域別に見ると、最多の台湾が21.2%増の12万4千人だったほか、中国が115.2%増の6万1千人、韓国が112.4%増の3万9千人、香港が16.8%増の3万3千人、タイが39.8%増の1万7千人などとなった。





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