日本観光振興協会(山口範雄会長、約660会員)は11日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで通常総会を開き、2015年度事業計画・収支予算案などを審議、承認した。理事・監事・評議役員の選任を行い、理事・副会長に日本旅館協会会長の針谷了、ANAホールディングス会長の伊東信一郎の両氏が就任した。
総会には約200人が出席。冒頭あいさつした山口会長は、世界遺産登録の動きが活発化していることやミラノ万博での日本館の人気の高さなどを踏まえた上で、「国内の観光振興に対する機運高まっており、日本の観光資源や文化が改めて世界から注目されている」と述べるとともに、「行政や関係機関と連携し、オールジャパン体制でもって観光立国実現のための政策提言や事業を展開していく」と強調した。
来賓として観光庁の久保成人長官、総務省の原田淳志官房地域力創造審議官があいさつ。久保長官は訪日外国人旅行者の好調さを受け、「(目標である)2千万人の実現が視野に入ってきた」との見通しを示した。
15年度事業の全体予算額は6億6300万円で、(1)世界に通用する魅力ある観光地域づくりと広域観光の推進(1億6600万円)(2)地域の観光魅力の創出と観光需要の創造(1億5700万円)(3)双方向交流の促進と受け入れ態勢の整備(1億4700万円)—などを中心に事業を展開する。
具体的には、DMO推進のためのシンポジウム・研修、ツーリズムEXPOジャパンの開催、「観るなび」による観光情報の発信と公共クラウド観光分野との連携など。
針谷、伊東両氏以外の新任役員は次の通り。
常務理事=中村浩之・JR東日本総合企画本部観光戦略室次長▽理事=近藤龍夫・北海道観光振興機構会長▽評議役員=北原茂樹・全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長、竹島和幸・福岡県観光連盟会長、戸川和良・KNT—CDホールディングス社長、縄野克彦・全国レンタカー協会会長▽幹事=原喜信・日本旅客船協会理事長
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総会後の情報交換会に出席した太田昭宏国土交通相は「昨年の今頃は(訪日外客)2千万人の高みを目指すと表現していたが、高みどころか前倒しも予想されるところまできた。ホップ、ステップ、肉離れしないよう肝を据えてやることが大事だ」とユーモアを交えあいさつした。乾杯の音頭は田川博己副会長(JTB会長)がとった。