上半期の旅館・ホテル倒産は41件、負債297億円 |
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帝国データバンクによると、今年上半期(1〜6月)のホテル・旅館経営業者の倒産(負債1千万円以上の法的整理)は41件、負債総額は297億1500万円だった。件数は前年同期と同数。額は同24.7%増加(58億7900万円増)した。
月別の件数で10件以上の2ケタを記録したのは4月(11件)の1回のみ。前年同期も1回(5月、10件)だった。
負債総額は100億円の大台を上回る月はなかったものの、90億円を超える月が2回(2、3月)あり、上半期トータルでは前年を上回った。
ただ、2013年上半期比では件数(25.5%減)、負債総額(34.1%減)とも大きく下回っている。
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リョケン、ゆのくに天祥で旅館大学セミナー |
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熱心に耳を傾ける経営者ら |
ホテル・旅館に特化し、設備投資や改装工事、社員研修、販売促進などのコンサルティングを行うリョケン(静岡県熱海市、佐野洋一社長)は13、14の両日、石川県・山代温泉のゆのくに天祥で「旅館大学セミナー」を開講した。全国から旅館経営者、幹部ら約120人が参加した。
セミナーは、今回が155回目で、ゆのくに天祥での開催は3回目となる。13日は、館内見学とゆのくに天祥の新滝英樹社長、新滝顕人常務による講演が催された。テーマは、「強い旅館づくりの戦略と実践手法」。
同館は、質の向上を重視した施設整備で価格競争からの脱却を図り、直近7年間で12の商品整備を行っている。最近では、温泉露天風呂付きスイート客室や、プレミアムスイート客室などをリニューアルした。「ネット社会の普及により、さまざまな客室タイプが必要となった。その中でグループ、ファミリー客に支持される商品づくりを目指している」と新滝社長。
省エネへの取り組みも大きな特徴で、LED照明などの省エネ設備導入や館内のエネルギー、水使用量などの「見える化」を行っていることを報告。また、旅館の事業継承についても言及した。同館では昨年、前社長の徳次氏が急逝し、急きょ英樹氏が社長に就任した経緯があることから、「争続」対策の問題点などを解説した。
14日は、リョケンの浜萩仁志常務らによる事例講演が催された。テーマは、「強い旅館づくりの方法」。個人客対応の商品整備を段階的に実施し近年、堅調な集客実績を上げている金太郎温泉(富山県魚津市)など、3件の事例を紹介した。
当日は、次回開催のセミナー概要が発表された。次回は、12月14、15の両日、宮城県・松島温泉の松島一の坊を会場に開かれる。テーマは、「顧客目線の挑戦を続ける『一の坊イズム』の経営に学ぶ」。騠橋征太郎・一の坊社長らによる講演を予定。セミナー参加者には「平成28年 旅館の経営指針」が贈呈される。 |
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