訪日外客、上半期で914万人に |
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今年1〜6月の訪日外客数(推計値)は、前年同期比46.0%増の914万人となった。円安の影響やプロモーションの効果などで、アジア、欧米を問わず主要な市場が好調だった。発表された統計は6月分までだが、7月15日ごろには1千万人に到達したと見られる。観光庁は、年間の訪日外客数は1800万人前後になると見込んでいる。
訪日外客数の最新の統計は、日本政府観光局(JNTO)が7月22日に発表した。今年1〜6月の実績は昨年同期の626万人を約288万人も上回った。
今年1〜6月の上位5市場を見ると、中国が116.3%増の217万8600人、韓国が42.6%増の181万9300人、台湾が28.9%増の179万2600人、香港が64.2%増の69万1600人、米国が13.6%増の50万7千人。
上位5市場に加えて、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインが1〜6月としての過去最高を記録した。
観光庁の久保成人長官は、7月22日の専門紙向け会見で、1〜6月の実績について「東アジア、欧米など、世界各国からバランスよく伸びている」と指摘した上で、「特段の外的要因がなければ、年間で1800万人前後が見込まれる。CIQ(出入国管理など)、空港、宿泊など、2千万人時代への備えが大事になる」と述べた。
7月の統計はまだ発表されていないが、訪日外客数は、昨年より約3カ月早い7月15日ごろに1千万人に到達したと見られている。
JNTOは、7月の訪日旅行の動向について「最も訪日外客数が多い月」であることに加え、クルーズ船の寄港予定、ボーイスカウト世界大会(7月28日から、山口市、海外参加者2万5千人以上)の開催をプラス要因に挙げ、「さらなる増加が期待される」としている。 |
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6月の訪日外客、52%増の160万人 |
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JNTOが7月22日に発表した今年6月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比51.8%増の160万2千人で過去最高だった。中国が全市場を通じて月間の最高値を記録。米国は欧州、北米、豪州の市場の中で初めて月間10万人を超えた。
中国は167.2%増の46万2300人。中東呼吸器症候群(MERS)の影響で行き先を韓国から日本に変更する動きも見られ、FIT(個人旅行者)を中心に需要が押し上げられた。クルーズは30本が寄港するなど好調。航空路線は、鄭州—関西、鄭州—静岡、合肥—名古屋など地方都市線の就航が相次いだ。
台湾は35.8%増の34万5200人で月間の過去最高を記録。エバー航空の台北—札幌線増便、タイガーエア台湾の台北—那覇線就航、チャイナエアラインの台北—花巻線の定期チャーター便の運航などがプラス要因となった。
韓国は21.2%増の25万1500人。MERSの感染拡大が海外旅行需要に影響し、訪日の伸び率は鈍化したが、6月の実績としては過去最高だった。
香港は75.4%増の13万7千人で月間の最高を記録。LCC(格安航空会社)の就航や韓国からの旅行先変更で需要が拡大した。
米国は16.2%増の10万2100人。円安や燃油サーチャージの引き下げなどを背景とした訪日旅行の割安感が定着。継続的に実施してきた旅行博出展や広告展開など、ビジット・ジャパン事業のプロモーションが実を結んだ。
この他、タイが19.5%増の4万3400人、シンガポールが25.3%増の2万9200人、豪州が7.7%増の2万2700人、英国が11.9%増の1万6800人などだった。 |
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