高校生観光プランコンテスト、青森と京都の2校が栄冠 |
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観光庁長官賞を受賞した桂高校 |
全国の高校生が自ら作った地域観光プランを競い合うコンテスト「全国高校生観光プランコンテスト」の本選が23日、大阪府茨木市の追手門学院大学で開かれた。各校とも、工夫を凝らした衣装や演出で自分たちのプランをアピール。グランプリである文部科学大臣賞、観光庁長官賞にはそれぞれ、青森県立名久井農業高校、京都府立桂高校が輝いた。
主催は観光関係者で作る同大会組織委員会(大会組織委員長=石森秀三・北海道大学観光学高等研究センター特別招聘教授)。追手門学院大学が共催。文部科学省、観光庁など20を超える産官学が後援した。
第7回となるコンテストには全国60校から108点の応募があり、書類による予選審査で選ばれた10校が本選に進んだ。
グランプリを受賞した名久井農業高校のプランは、一戸、八戸など、岩手北部から青森南部地方にある「戸」のつく地名に焦点を当てたもの。「なぜ『四戸』がないのか」という謎を解くために、各市町村をめぐって地元の高校生や地域の人の話を聞いたり、謎解きに関係するスポットを巡ったりしながら、地域の自然や食の魅力も体験してもらう内容だ。
桂高校は、日本ならではの体験を求める欧米からのインバウンド客に、地元の荒廃した放置竹林の整備ボランティアを体験してもらうプランを企画した。整備活動に、伐採した竹を使った竹細工作りやタケノコの収穫体験などを組み合わせることで、さまざまな季節に何度も訪れられる内容としたほか、整備後の竹林から取れたタケノコを販売してプランの運営費に充てるなど、持続可能な仕組みも整えた。
審査委員長を務めた石森大会組織委員長は、「どのプランも、地域課題に対する鋭い認識を持った上で、いかにその解決を図っていくかが盛り込まれていた。その中で、高校生らしい純粋な思い、興味を出発点に、地域の人をうまく巻き込みながら地域の魅力を引き出しているプランが高い評価を得た」と講評。その上で「若い皆さんがそれぞれの地域で観光の可能性を生かしながら地域の魅力づくりに取り組んでいるということは非常に重要だ。今後も継続的に取り組んでいってほしい」と激励した。
他の結果は次の通り。
準グランプリ=高知県立須崎高、福井県立奥越明成高、岐阜県立益田清風高▽優秀作品賞=宮城県農業高、東京都・岩倉高、島根県・松江市立女子高、三重県立鳥羽高、和歌山県立神島高▽特別賞=山形県立置賜農業高、長崎県立五島海陽高、大阪府・追手門学院大手前高
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観光庁、東北3県の魅力「100選」選定へ |
観光庁は、東日本大震災からの東北観光の復興に向け、岩手県、宮城県、福島県の魅力的な観光資源を選定する事業「東北3県の見るもの・食べもの・買いもの100選(仮称)」を実施する。今年度中に分野ごとに観光資源をピックアップし、合計で100件を選定。国内外に紹介して東北の観光需要の拡大につなげる。他にも東北への送客を後押しする事業を予定している。
官民の観光関係者が出席し、2日に仙台市で開かれた東北観光復興加速化会議で事業計画が紹介された。東北観光の復興について観光庁の久保成人長官は、19日の専門紙向け会見で「具体的に東北に足を運んでもらえる事業を進める。情報発信の強化などに重ねて取り組んでいく」と述べた。
100選の事業では、風景、祭り、地酒、観光施設などの分野ごとに観光資源を選定する。売り出したい観光資源を自治体や観光協会にピックアップしてもらい、一般消費者の意向も反映されるように投票などを行って選定したい考え。国内はもとより、日本政府観光局(JNTO)を通じて海外にもPRしていく。
東北の観光復興に向けて今年度中に実施する事業としては、「送客1千人プロジェクト(仮称)」や昨年度に引き続いて実施する「大人の教育旅行in東北」も計画。送客1千人プロジェクトは、ボランティアなどの復興支援に参加した人々にもう一度現地を訪れてもらう。被災地域の自治体などが開催する感謝を伝えるイベントなどと連携して実施する。大人の教育旅行の第2弾では、復興の様子を学ぶツアーなどを支援する。
いずれの事業も詳細は今後決定する。 |
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