JR西日本、金沢駅で「花嫁のれん」の出発式 |
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駅長の合図で出発 |
JR西日本はJR金沢駅(石川県金沢市)で3日、1日に始まった北陸デスティネーションキャンペーン(DC)に合わせ、七尾線(金沢—和倉温泉駅間)で運転を開始する観光列車「花嫁のれん」の出発式を行った。
出発式には、谷本正憲・石川県知事、濱田厚司・金沢市副市長、江角直樹・北陸信越運輸局長、野中雅志・JR西日本執行役員金沢支社長、小田禎彦・石川県観光連盟理事長、上口昌憲・北陸観光協会会長らが出席。スペシャルゲストとして、金沢の旅館を舞台にしたテレビドラマシリーズに出演している女優の野際陽子さんと羽田美智子さんも参加した。
観光列車花嫁のれんの車両のコンセプトは「和と美のおもてなし」。外装と内装とも輪島塗や加賀友禅、金沢金箔など北陸の伝統工芸をイメージし、「和と美」を表現した。1日2往復を運行。運行日は10月3日から来年2月28日までの土・日曜日、祝日と、今年12月29日までの月・火・金曜日(北陸DC実施に伴う特別運行)。12月8日は運転しない。また、来年2月12日は運行する。特急列車普通車指定席(全車指定席)として運転。運賃、料金については七尾線を運転する他の特急列車と同様の取り扱いとなる。
北陸DCに合わせてはJR西日本と日本旅行が10月1日に「トワイライトエクスプレス車両で行く福井の旅」を催行、3日には団体臨時列車「サンダーバード」の出発式や各地での出迎えイベンドが盛大に催された。
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法政大大学院、ダークツーリズムテーマにシンポジウム |
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シンポジウムの様子 |
法政大学大学院政策創造研究科は3日、シンポジウム「負の遺産観光から見る、観光の可能性」を法政大学市ケ谷キャンパスで開いた。「従来の楽しい観光から一線を画し、戦争や災害の跡などの人類の悲しみを対象とした観光」と定義づけられている「ダークツーリズム」について4人の研究者が研究発表と討論を行った。
法政大学大学院政策創造研究科の須藤廣教授は「負の遺産観光から見る観光の可能性」を発表。「観光(ツーリズム)の定義は、場所の移動を含む非(脱)日常経験。観光は消費活動であり、ダークツーリズムも現代の体験消費の一つにすぎないが、良い意味でも悪い意味でも、政治(社会運動)へ向けたプロパガンダとなる可能性を秘めている」などと述べた。
北九州市立大学の濱野健准教授は「ポリフォニックな近代表象と歴史の文化政治—北九州地域と富岡製糸場の産業遺産観光を中心に」と題して発表。「8県11市に点在する23の施設群からなる『明治日本の産業革命遺産』が7月に世界遺産登録された。重工業による日本近代化のモニュメントを世界遺産化することで近代国家の権威と正当性を示した格好だが、“小さな物語(負の側面)”が“大きな物語”へ回収、包摂されてしまった印象はぬぐえない」と話し、世界遺産登録が構造的に抱える問題点を指摘した。
獨協大学外国語学部の須永和博准教授は「スラム・ツーリズムの現状と課題—大阪釜ケ崎を事例として」の中で、釜ケ崎の町再生フォーラムが主催する「釜ケ崎のまちスタディツアー」を紹介した。ツアーは、同フォーラムのスタッフと元日雇い労働者が当事者の視点から釜ケ崎の町について語る取り組み。「釜ケ崎に行ってみて、釜ケ崎=怖い町というわけではないことが分かった。まだ解決しなければいけない問題はたくさんあるが、見えないエネルギーや生きる力にあふれた街という印象を受けた」など、参加した学生の声も披露した。
日本でのダークツーリズム研究の第一人者、追手門学院大学の井出明准教授は「ダークツーリズムの可能性—悲しみの記憶を観光資源にすることの意味」の中で、「欧州では天国と地獄、正と死などの二元論概念が浸透しているのでネガティブ情報も自然と継承されるが、日本では『負の記憶』の承継がしにくい」と日本の特殊性を指摘した。具体例として、「石見銀山では世界遺産登録前後から処刑場の表示が見当らなくなった。日本では観光地化されると負の記憶が消える」と述べ、「その結果、本質は継承されなくなる」と懸念。その上で、「ダークツーリズムの重要性は、ポジティブな記憶とネガティブな記憶の両立にある。近代化は必然的に負の記憶を含むが、この部分をわれわれは認識していない」と語り、ダークツーリズムの潜在力を示唆した。 |
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主要旅行業49社7月実績 |
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観光庁が9月18日に発表した7月の主要旅行業49社の取り扱い状況(速報)は、総取扱額が5708億323万円で前年同月比0.2%増だった。
内訳は国内旅行が4.9%増の3782億1511万円、海外旅行が11.4%減の1773億9977万円、外国人旅行が70.5%増の151億8835万円だった。
旅行会社からの聞き取りでは、国内旅行は関西方面と北陸方面が引き続き好調。海外旅行は依然欧州方面の落ち込みが影響している。外国人旅行は東アジアとビザ要件の緩和があった東南アジアからの訪日客が好調だった。
取り扱いの合計が前年同月を超えたのは49社中20社。国内旅行は46社中31社、海外旅行は48社中9社、外国人旅行は33社中24社。
募集型企画旅行の総取扱額は、前年同月比4.1%減の1529億3573万円。
内訳は国内旅行が3.0%増の957億2153万円、海外旅行は14.5%減の566億3428万円、外国人旅行は51.1%増の5億7993万円だった。
募集型企画旅行の取扱人数は、3.0%減の335万7749人。国内旅行が1.9%減の308万4725人、海外旅行は19.3%減の23万9052人、外国人旅行は47.6%増の3万3972人だった。 |
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