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地域観光 ■第2820号《2015年11月7日(土)発行》    
 

南陽市で「東北・桜サミット」、700人が参加
シンポジウムの様子

 東北の復興支援へ桜を題材に観光客を誘致しようと、行政や観光業界、信用金庫業界が東北・夢の桜街道推進協議会(細野助博会長)を官民55会員で設立し、東北の桜の名所88カ所を巡る「桜の札所・八十八カ所巡り」プロジェクトを推進する「東北・桜サミット」が10月27日、山形県の南陽市文化会館で開かれ、約700人が参加した。

 サミットでは春の「東北・夢の桜街道」に、新たに東北の酒蔵80カ所をつなぐ秋の「東北・酒蔵街道」が発表された。今後、夏の「東北祭り街道」、冬の「東北雪見街道」の東北観光周遊ルート四季感動の「東北住環道」の整備を視野に、東北6県の復興創生への取り組みを目指すことを確認した。

 主催者を代表し、細野会長は「東日本大震災から4年が経過し風化が進み、東北への復興支援が薄れてきているが、夢の桜街道の情報発信を強化し、旅を創出し東北の復興と創生により発展することを願う」とあいさつした。吉村美栄子・山形県知事、白岩孝夫・南陽市長が歓迎のあいさつをした。

 サミットの1部では、イギリス人の女性監督ルーシー・ウォーカー氏が震災直後の被災地に入って撮影した、短編ドキメンタリー映画「津波そして桜」を上映。厳しい環境の中でも、春の訪れとともに咲き誇る桜の姿に人々が癒され、励まされる過程や、被災地の再生を誓い共生する大切さを訴えた。

 2部では、パネリストに加藤庸之・観光庁観光地域振興部長をはじめ東北6県の副知事、部局長らによるシンポジウムを開催した。

 パネリストを務めた加藤部長は「観光は経済面のみならず、広域観光交流が果たす復興の役割は大きい」、高坂幹・青森県観光国際戦略局長は「民間主導で東北全体の観光振興を盛り上げる協議会が立ち上った意義は大きく、地酒と料理のマリアージュを検討したい」、齋藤敦夫・岩手県企画理事は「桜と八幡平の雪の回廊の同時見学の商品を造成し発信。震災後に植栽した1万7千本の桜が10年後の復興ツーリズムの財産となる」と述べた。

 中島英史・秋田県副知事は「東北は夏祭りが最高のコンテンツ。従来型の観光は限界にきている。テーマを決め体験を通しての観光商品の造成が急務だ」、吉田祐幸・宮城県商工観光部長は「来年の仙台空港の民営化後には乗降客数は600万人を目標に掲げている。これが東北全体の観光の起爆剤になることを期待している」、小野真哉・山形県観光交流局長は「観光には県民総参加、全産業参加で取り組んできた。東北全体が桜を目玉に連携し、観光振興を図った意義は大きい」、橋本明良・福島県観光交流局長は「桜の札所の1番は三春の滝桜。復興ツーリズムの単独開催は難しく連携が大切だ。福島の再生なくして復興はありえない」などと指摘した。

 コーディネーターを務めた細野氏が「民から始まったが、官を巻き込み四季を通した誘客を推進し、東北の魅力を発信することが重要だ」と意見を集約。今後、広域連携のベースを早急に整備することを確認した。



岡山県、大阪市で観光PR

 岡山県は10月27日、「晴れの国おかやま観光プレゼンテーション2015『岡山にカモモーン!!』」と題して観光情報を発信する会合を大阪市のANAクラウンプラザホテル大阪で開催した=写真。

 伊原木隆太知事は「昨年、観光予算を2倍に、さらに今年は3倍にした。来年は9年ぶりに岡山デスティネーションキャンペーン(岡山DC)を開催する。これまでとは一味違うものを提供する準備をしている。関西地区は岡山県の観光客の半分を占める重要な地域。(旅行会社などの)皆さんをバックアップしていきたい」とあいさつした。

 観光プレゼンテーションでは、岡山DC、アートで巡る瀬戸内海の旅、岡山の名湯と春色の旅などのほか、岡山県の観光振興に関する施策を紹介した。

 岡山DCは、JRグループと岡山県などが共同で来年4月から6月まで開催する大型観光プロモーション。

 JR西日本は、岡山DCに伴って二つの観光列車を導入する。「瀬戸内国際芸術祭2016」の開催に合わせて、宇野みなと線(岡山—宇野)に観光列車「ラ・マル・ド・ボァ」を運行。岡山県北部エリアの津山線などには、ノスタルジックな外装と内装を施した観光列車「ノスタルジー」を運行する。



熊本県、世界遺産PRするパンフレット作成

 熊本県と熊本県観光連盟は、熊本の世界ブランドの確立、知名度向上を図るため、「熊本の誇る世界遺産等プロモーションキャンペーン」を来年3月25日まで実施している。キャンペーンのパンフレット「世界のkumamoto」=写真=を発刊してアピールする。

 パンフレットは、今年7月に世界遺産に登録された三池炭鉱万田坑(荒尾市)と三角西港(宇城市)をはじめ、阿蘇地域(世界農業遺産、世界ジオパーク)、人吉・球磨地域(日本遺産)、妙見祭(ユネスコ無形文化遺産登録申請中)など、世界に誇れる熊本の資産を集め、その地域に息づく「ものがたり」を紹介している。

 来年の世界遺産登録を目指す「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産に含まれる注目スポット、天草市の郫津集落のページでは、美しいゴシック風の郫津教会、遊覧船の海上クルーズなど「キリスト教の歴史と漁村の営みにふれる旅」を紹介している。

 1966年9月24日に開通した天草五橋は来年が開通50周年。人気の観光ルートで熊本県宇土半島先端の三角から、天草諸島の大矢野島、永浦島、池島、前島、天草上島までを結ぶ五つの橋の総称。愛称のパールラインでも知られる。

 パンフレットは、A4版中とじ24ページ、フルカラー。発行部数は10万部で九州、関西以西を中心とした道の駅、熊本県内の主要観光施設など約500カ所で配布する。

 キャンペーン特設サイト(http://kumamototime.jp)も開設。動画も公開している。





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