地方創生交付金の先駆分、観光は189事業・69億円 |
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政府は10月27日、全国のモデルとなる地方創生事業への先行型交付金(先駆的事業分)として、都道府県分、市町村分を合わせて710事業に236億円を交付することを決定した。このうち観光分野の事業は、DMO(観光地域マネジメント・マーケティング組織)の立ち上げに関わる事業などを中心に、189事業、69億円で全体の約3割を占めた。
自治体が申請した事業を外部の有識者に評価してもらった上で交付対象を決定した。
観光分野は、都道府県分が39事業で交付額が25億円、市町村分が150事業で交付額が44億円となった。
観光分野の事業のうちDMOの立ち上げに関する事業が、12道県、90市町村の44事業に上った。観光推進組織として海外に先進事例が見られるDMOは、地方創生に向けた観光地域づくりの中核として育成の必要性が指摘され、交付対象の事業事例にも示されていた。
DMO事業の主な事例では、北海道の洞爺湖町、豊浦町、壮瞥町が取り組む「洞爺湖有珠山ジオパーク資源を活用したDMO観光地域づくりの連携事業」(9438万円)、鳥取県、島根県の「山陰版DMO広域観光推進事業」(1千万円)、広島県など7県広域の連携を目指す「せとうちDMO推進事業」(1億7418万円)など。
DMO関連以外の観光分野の主な事業は、宮城県、福島県の5市町による「阿武隈急行沿線地域の広域連携と新たな観光資源創出事業」(2550万円)、高知県と同県内7市町村の「四万十・足摺エリア誘客促進連携事業」(7千万円)、長野県の岡谷市、駒ケ根市など5市町の「外国人観光客を主なターゲットとする信州シルクロードを核とした広域観光連携事業」(2909万円)など。
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ディスカバー農山漁村の宝、グランプリに新湊漁協 |
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安倍首相も出席して首相官邸で開かれた交流会(写真提供・農林水産省) |
農林水産省は10月29日、優れた地域活性化事例「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」選定地区から、グランプリとして新湊漁業協同組合(富山県射水市)を選出した。また特別賞「グローバル賞」は遠野・住田ふるさと体験協議会(岩手県遠野市)、「プロデュース賞」は社会福祉法人E.G.F(山口県萩市)、「ウィメン賞」は相差(おうさつ)海女文化運営協議会(三重県鳥羽市)が選ばれた。
選定地区の関係者らは同30日、首相官邸を訪れ、選定証授与式に臨んだ後、安倍晋三首相も出席した交流会に参加した。
新湊漁協は、子どもなど若い世代を対象にした「カニ給食」や魚のさばき方教室開催といった食育分野、PR活動や付加価値を付けた魚介類の即売といった地産地消に力を入れてきたことが高い評価を受けた。
遠野・住田ふるさと体験協議会は、企業研修や外国人向けグリーンツーリズムを積極的に受け入れるため、商談会への出展や受け入れ家族向け英語研修に取り組んだ。
社会福祉法人E.G.Fは、障害者が栽培から収穫、加工、販売まで主体的に取り組み、6次産業化を実現。雇用確保により、県内外からの移住者が増加した。
相差海女文化運営協議会は、海女文化を紹介する資料館や特産品の販売施設などを整備するなど、「海女漁」という地域文化を活用して女性がいきいきと働く環境を作り上げた。
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