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インバウンド ■第2821号《2015年11月14日(土)発行》    
 

7〜9月期の外国人旅行消費、82%増の1兆9億円

 訪日外国人の今年7〜9月期の旅行消費額が前年同期比81.8%増の1兆9億円となり、四半期として初めて1兆円を突破した。観光庁がこのほど発表した訪日外国人消費動向調査の速報。買い物代などの旅行支出が高い中国人旅行者数が増加したことなどが要因だ。

 費目別の消費額は、買い物代が4039億円で消費額全体の40.4%に上った。宿泊料金は2606億円で26.0%だった。他は飲食費が1843億円(構成比18.4%)、交通費が1132億円(同11.3%)、娯楽サービス費が337億円(同3.4%)。

 国・地域別の旅行消費額は、中国が152.4%増の4660億円(構成比46.6%)、台湾が48.1%増の1389億円(同13.9%)、韓国が51.0%増の799億円(同8.0%)、香港が128.7%増の800億円(同8.0%)、米国が14.9%増の452億円(同4.5%)など。

 消費額の約半分を占める中国は、期間中の旅行者数が112.4%増の166万人で、1人当たりの旅行支出が18.8%増の28万788円だった。旅行支出のうち買い物代は18.3%増の14万3620円、宿泊料金は5.6%増の5万4267円だった。

 全市場平均の旅行者1人当たりの旅行支出は、前年同期比18.3%増の18万7165円となった。中国以外の国・地域では、香港が30.0%増の19万2545円、米国が1.2%減の17万9682円、台湾が10.5%増の14万2005円、韓国が4.8%増の7万7048円など。1人当たりの旅行支出を費目別に見ると、買い物代が42.4%増の7万5535円、宿泊料金が0.8%減の4万8731円。

 旅行支出は、観光・レジャー、業務などの旅行目的、滞在日数の長短で左右される。観光・レジャー目的に限って1人1泊当たりの旅行支出を国・地域別に見ると、中国が4万3844円、香港が3万4218円、台湾が2万5983円、韓国が2万166円、米国が1万8424円など。



JR東日本、訪日客受け入れで新戦略
 JR東日本は4日、新たなインバウンド戦略の推進策を発表した。訪日外国人用フリーパスをJR西日本と共同で新商品を設定するほか、羽田空港の「JR東日本訪日旅行センター」の拡大、海外向けインターネット予約サービスの多言語化、駅構内での免税販売対応拡大などを盛り込んだ。

 JR西日本との共同商品「北陸アーチパス」を来年4月から販売する。都内と関西地区を北陸経由で結んだエリアの新幹線を含む特急や急行、普通列車が連続7日間、乗り放題になる。

 訪日外国人向けフリーパスを含む乗車券類の発売や引き換えを行う羽田空港「JR東日本訪日旅行センター」はすでに拡張工事に着手し、来年2月に完成する予定。面積が現在の約3.5倍の63平方メートルに拡充し、窓口を1カ所から3カ所に増設する。

 海外向けインターネット予約サービスは来年2月から、現在の英語のみから中国語(簡体字、繁体字)と韓国語を加える。予約申し込み後のメールによる回答も、現在の24時間以内から即時回答に変更する。

 同社系の駅ビル(ルミネやアトレなど)の商業施設では、免税販売対応店舗を拡大する。駅ビル内の情報提供サイト「駅パラ」は12月から多言語化する。さらに、東京、上野、秋葉原各駅のカフェやベーカリー店舗で12月中、イスラム教徒に配慮したハラール商品を提供する。





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