日本旅行、滋賀県と観光振興などで連携協定 |
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日本旅行(丸尾和明社長)と滋賀県(三日月大造知事)が10日、観光振興、地域活性化などの「包括的連携協定」を結んだ。同県のインバウンド拡大に向けた取り組みや、同県の魅力を伝える旅行商品の開発を共同で行うとともに、「滋賀・琵琶湖ブランド」の発信、環境保全、地産地消の推進など、多岐にわたる事業を行う。
日本旅行の創業地が滋賀県であることなどから話が進んだ。同社が地方自治体と包括的連携協定を結ぶのは初めて。また同県が旅行会社と包括的連携をするのも初という。具体的連携事項は、観光振興ほか、「環境保全」「青少年の健全育成」「地産地消の推進」「災害対策」「文化振興」「産業振興」「健康福祉の増進」など10項目。
観光振興については、インバウンド拡大に向けた取り組みとして、来年2月にタイで行われる「日本フェア」で同県の魅力を発信する専用パンフレットを作成、配布。今年6月に両者が共同開発した「女子旅びわ湖」の販売を継続する。
同県観光関係者向けの研修会の実施や、日本旅行の機関誌やウェブでの同県情報の発信なども進める。同県観光関係者から観光振興の相談を受け付けるホットラインを日本旅行側が開設する。
10日、滋賀県公館ゲストルームで行われた締結式には、日本旅行の丸尾社長、滋賀県の三日月知事が出席。丸尾社長は「創業地、滋賀県とこのような連携協定を締結できることは感無量の喜び。今回の連携協定を機に、滋賀県への交流人口の拡大を図り、地域経済の発展に貢献したいと考えている」、三日月知事は「本県と関わりが深く、日本を代表する旅行会社である日本旅行と包括的連携協定を締結できることは大変感慨深く、ありがたいことだ。知事として大変大きな期待を寄せている」と述べた。
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JTBグループ中間決算、国内好調で増収増益 |
JTBが16日に発表した2015年度上期(4〜9月)のグループ連結決算は、売上高が前期比1.4%増の6881億1800万円。4期連続の増収で、07年度に次ぐ過去2番目の数字となった。営業利益は同21.5%増の118億5800万円、経常利益が同17.1%増の158億4900万円。国内旅行と訪日旅行が堅調に推移し、増収増益となった。
当期純利益は、前期にサンルートの売却による特別利益があった影響で同29.1%減の102億1900万円。連結対象会社数は国内70社、海外85社、持分法適用会社17社を合わせ172社、従業員数は2万7千人。
旅行事業の売上高は2.2%増の63億2756万円だった。
国内旅行の売上高は6.6%増の3200億3400万円。個人・グループ旅行は、国内パッケージツアー「エースJTB」で早期申し込みの促進、宿泊施設の価値明示を強化した赤パンフレット商品などの販売が好調だった。方面別では、新幹線が開業した北陸方面や、主要ホテルでの専用ラウンジなどの差別化施策が定着した関西・沖縄方面が好調に推移した。
法人営業は、企業の好業績によりインセンティブツアーやMICE需要、職場旅行などの観光性需要が旺盛。ウェブ販売は、国内宿泊予約サイト「るるぶトラベル」の宣伝強化などにより、前期を上回った。
海外旅行の売上高は10.8%減の2484億8600万円。円安や主要観光地でのホテル仕入価格の高騰、国際情勢不安の影響などで個人・グループ旅行は苦戦。法人営業も前期を下回った。
訪日旅行の売上高は、好調な市場の伸びを超える62.1%増の380億円。訪日個人旅行者向けと国内向けの宿泊仕入を一元化したことで、訪日旅行者向けツアー・宿泊予約サイト「JAPANiCAN.com」での予約が、好調だった前期をさらに上回って推移した。
16年度通期の業績見通しは売上高が1兆3250億円、経常利益が220億円、当期純利益が123億円。引き続き、好調な国内旅行、訪日旅行に経営資源を集中するなどして、増収増益を確保する見込み。 |
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