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観光行政 ■第2831号《2016年2月6日(土)発行》    
 

「違法営業取り締まりを」全旅連会長、民泊問題で強調
写真左から全旅連の清澤正人専務理事、佐藤勘三郎会長代行、北原会長、日本旅館協会の佐藤英之専務理事

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)の北原茂樹会長は1月25日、東京の全国旅館会館で民泊問題について記者会見を行った。「宿泊業界の考え方」として、現在違法状態で行われている民泊サービスの早急な取り締まりを要望。民泊を行う事業者には、現行の法律に基づき営業許可を取り、既存の旅館・ホテルとフェアな競争関係を持つべきだと強調した。

 発言の骨子は「民泊サービスは、現在の日本の法の下では、その多くが違法状態で営まれており、早急に取り締まるべき」「利用者の安全・安心を第一義として考える場合には、衛生管理や災害時の避難誘導などが確保されることが必要。またマンション・空き家における民泊の場合、管理者が常駐していないため、犯罪やテロの拠点として利用されかねない」「(外国人客と)生活文化の違いから近隣住民とのトラブルが起こりかねない」「都市計画法に基づく第一種および第二種低層住宅専用地域において民泊サービスが行われることになると、これまでの閑静な住宅地の環境が損なわれることになり、土地・建物の資産価値にも影響を及ぼしかねない」「宿泊施設不足の問題は、既存の旅館・ホテルを活用すれば解決できる地域が多くある」。

 北原会長は「無許可の民泊サービスは、現在の法律の下では違法ということを、国民に周知したい。われわれは国会議員を通じて内閣府に、(民泊事業者に)指導するよう求めているが、一向に動いていただけない。そのことが国民に、民泊は誰でもできるのだと錯覚を起こさせているのではないか」と指摘。

 また「昨今、これほどテロが世界で頻発している中、日本でも起こらないという保証はどこにもない。そういった危険性をはらむ事業をどこまで許すのか。民泊が大きな経済効果を生むというが、そのメリット、デメリットについて、国民に分かるように、しっかりと説明がなされなければならない。納税の義務も怠っているような方々(民泊事業者)が国民経済に寄与するとは、私は到底思えない」と述べた。

 Airbnb(エアビーアンドビー)など、民泊を仲介するサイトについても言及。「無許可で民泊を営んでいる事業者に(許可を取るよう)指導してほしいとたびたび申し入れているが、いまだにそのままだ」「民泊事業者が現行法の下で営業許可を取っているのかいないのか、許可を取っているのなら許可番号をホームページに載せるなりしていただきたい」と述べた。

 また1月23日の一部新聞が、政府が民泊を2段階で全国解禁する方針を固めたと報道したことに対して「われわれ(「民泊サービス」のあり方に関する検討会)が議論をしたことのない内容まで書かれているが、誰がこんなことを決めたのか。強い怒りとやるせなさを感じる」と述べた。

 最後に北原氏は「われわれは民泊について、『お客さまを取られるからやってもらっては困る』という狭い考えを持っているわけではない。ホームステイ型の民泊に対して新しい需要があるわけだから、その事業者がルールにのっとって営業されて、われわれと競争関係を持つことには全く異論はない」と強調。「無法で行っている民泊事業者には、今のルールをしっかり守ってもらい、政府も取り締まりをしっかりと行ってもらいたい」と述べた。


日観振の全国観光ボランティアガイド交流会に103人出席

 日本観光振興協会は1月22日、東京都内で「全国観光ボランティアガイド交流会」を開いた。34都道府県から103人が参加した。

 第1部は、佐藤喜久恵・函館観光ボランティア一會の会会長、石関文昭・東京SGGクラブ会長、芳野哲夫・金沢観光ボランティアガイドの会「まいどさん」代表幹事、田浦元・桃源郷雲仙ガイドツーリズム代表らが「観光ボランティアガイドの課題と今後の方向性について」をテーマにパネル討論。コーディネーターはNPO法人横浜シティガイド協会理事の嶋田昌子さんが務めた。

 石関氏は外国人観光客の受け入れについて「年間90カ国以上の観光客に対応」「基本的に全て英語。多言語対応をしていきたいが非常に難しい。しかし、せめてあいさつ程度はその国の言葉で歓迎してあげたい」などと述べた。

 2部はスキルアップの有効な方策、後継者育成などについてグループ討論した=写真。

 日観振によると、ボランティアガイドは全国に約1700以上の組織があり、ガイド数は4万人超となっている。





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