16年度の業績、4社に1社が増収増益見通し 帝国データ調べ |
帝国データバンクはこのほど、2016年度の業績見通しに関する企業の意識調査を行った。今年度の業績見通しを「増収増益」とする企業は25.9%と、およそ4社に1社。前年度の実績見込み(27.9%)から2.0ポイント減少したが、「減収減益」も3.7ポイント減少した。「2016年度業績は厳しい見方を強めながらも改善を見込む企業が多い」(同社)。業績見通しの下振れ要素は「個人消費」「中国経済」などが挙がっている。
最も多い回答が増収増益で、以下は「前年度並み」(22.7%)、「減収減益」(20.7%)、「その他」(19.3%)、「増収減益」(5.8%)、「減収増益」(5.6%)の順。
前年度実績見込みとの比較では、増収増益が2.0ポイント、減収減益が3.7ポイントそれぞれ減少。前年度並みが10.8ポイント増加した。
今年度の業績見込みを従業員数別に見ると、千人超の企業で59.7%と6割近くが増収、35.1%が増収増益を見込んでいる。
一方、5人以下の企業は増収が34.1%とおよそ3社に1社。増収増益も21.3%と、大企業に比べ厳しい見通しとなっている。
「2016年度の業績は大企業を中心に回復が進むと予想され、企業業績において規模間格差の拡大が懸念される」(同社)。
今年度の業績見通しを下振れさせる材料(複数回答)は、「個人消費の一段の低迷」が40.7%と最多。以下は「外需(中国経済の悪化)」(30.7%)、「所得の減少」(26.7%)、「公共事業の減少」(25.4%)、「人手不足」(24.5%)の順。前年度調査との比較では、外需(中国経済の悪化)が15.7ポイント増と大きく増加。個人消費の一段の低迷は同2.9ポイント増加した。
一方、今年度の業績見通しを上振れさせる材料(同)は、「個人消費の回復」が38.4%と最多。5年連続でトップとなった。以下は「公共事業の増加」(27.2%)、「原油.素材価格の動向」(22.4%)、「所得の増加」(21.1%)、「為替動向」(18.4%)など。
「アベノミクス」 評価は平均60.3点
調査では「アベノミクスへの評価」も聞いた。現在までの成果を100点満点で評価してもらったところ、平均が60.3点だった。前年度調査(64.2点)からは3.9ポイント低下。
企業の規模別では、大企業が62.1点で、同4.4ポイント減。中小企業が59.8点で、同3.8ポイント減。大企業の評価が依然高いが、下げ幅も大きくなっている。
60点以上を付けた企業は「株価上昇、円安等の金融政策がある一定の効果を生み出している」「未だ地方の中小企業には大きな影響はないが、日本を良くしていこうという意欲は伝わってくるし、少しずつ改善している実感がある」、60点未満を付けた企業は「金融政策ばかりが目立ち、そのほかの規制緩和がなかなか進まない」「大手優先で地方や零細企業に波及していない」などと述べている。
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