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観光行政 ■第2850号《2016年6月25日(土)発行》    
 

休暇村が設立55周年、新コンセプトを発表
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 国立、国定公園など自然豊かな環境で宿泊施設を運営する休暇村協会(中島都志明理事長、37施設)は15日、東京・有楽町で会見を開き、休暇村設立55周年に合わせて、新しい運営コンセプト「自然にときめくリゾート」を発表した。国内外の若年層、ファミリー層の需要促進とFITの対応を充実させる。

 現在、休暇村の利用状況は60代以上が6割以上を占めている。中島理事長は若年層、中堅層の利用が少ないことを課題に挙げ、年代層ごとの利用プランを発表した。

 若年層向けには休暇村に立ち寄るきっかけづくりとして「ご当地ランチ」の提供と併設するキャンプ場でのバーベキューなどを提案する。ファミリー層向けには、手ぶらキャンプ、手ぶらスキープラン、子ども料金を365日、同一料金とすると発表。今後、OTAでの取り扱いも拡充する。

 中核のシニア層には孫を連れた3世代旅行「孫旅」を全国統一規格として実施する。また、シニア向けには5泊6日の長期滞在プランも用意。中島理事長は「昨年は5千人が長期滞在を行い、延べ3万人泊の実績がある。新たなトレンドと位置付ける」と施策を語った。

 もう一つの大きな課題として訪日客の取り込みを挙げる。昨年全国の休暇村で140万人が宿泊したが、うち訪日客は1%に満たない1万3千人だった。

 今後はFITにターゲットを絞り、休暇村の自然環境をアピールすることで利用者拡大を図る。具体的には外国籍の総合職員を拡充する。現在は6人だが、来年度は5〜6人の採用を目指す。

 中島理事長は設立55周年を記念して新たなコンセプトも発表。1961年の創業時は、豊かな自然の中でアクティブに過ごしてもらうことを事業目的にテーマを「アクティビティ」としてきた。平成に入りコンセプトを「やすらぎ」と変化させ、この度新たに「自然にときめくリゾート」に定めた。中島理事長は「その土地ならではの魅力に触れてもらい、自然にときめく時間を提供したい」と語った。

休暇村紀州加太で「ときめき」を保証
 同会見では7月1日にリニューアルオープンする和歌山市の休暇村紀州加太(義本英也総支配人)のユニークな宿泊プランが発表された。新コンセプト「自然にときめくリゾート」に合わせて、オープンから3カ月間「ときめき」を保証するプランを1日1組2人限定、1人2万5千円(消費税、入湯税込み)で販売する。

 宿泊者はリニューアルした五つのポイントについて「ときめいたか」「ときめかなかったか」をチェックアウト前に、10個の「ときめきストーン」を使って評価。どのポイントにときめいたかを投票する。ときめきを感じず、手元にときめきストーンが残った場合、1個につき宿泊料の10%を返金する。

 五つのポイントは、夕日百選に選ばれた「絶景」、紀淡海峡と湯面が一体化する「天空の湯」、「オーシャンビューの客室」、「旬の地元食材で揃えた特別コース料理」、加太の町歩きを楽しむ「ふれあいプログラム」。

 義本総支配人は「自信あるプログラムなので返金のことは考えずやる。割り引き目的で来た人にも全部ときめいたと言わせたい」と自信を見せた。


観光庁、JTBの情報流出で詳細な報告を指示
 海外からの不正アクセスによる、JTBの個人情報流出問題を受け、観光庁は15日、JTBに対し、個人情報保護法に基づいた詳細な報告を出すよう指示した。

 サイバーセキュリティーの確保は極めて重要な問題として、(1)詳細な事実関係(2)発覚前に講じてきた安全管理措置(3)今後の再発防止策—などについて、24日までに報告するよう求めた。

 田村明比古長官は同日の専門紙との会見で、「セキュリティー対策について足らざるところがあり、関係行政機関への報告、相談も時間がかかったことは大変遺憾」との認識を示した。

 これに関連し、14日には26の観光関連団体・機関に対し、情報流出防止策を徹底するよう通達した。





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