中小企業の業況DI、2期連続で低下 |
中小企業庁はこのほど、中小企業景況調査の4〜6月期分を公表した。同期の中小企業の業況判断DI(好転とした企業割合から悪化とした企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス19.5で、前期比1.4ポイント減と2期連続で低下した。「中小企業の業況は持ち直し基調の中にも弱い動きが見られる」と同調査。業種別では、宿泊業がマイナス16.6で、同12.1ポイント減と2期連続で低下した。
業種別ではこのほか、製造業がマイナス16.9で、同0.1ポイント減。非製造業がマイナス20.4で、同1.6ポイント減。非製造業のうち、宿泊業を含めたサービス業全体はマイナス16.7で、同1.5ポイント減。同期は全ての業種がマイナス水準となった。
7〜9月の見通しは、全産業合計がマイナス17.3で、今期比2.2ポイント増。業種別では、宿泊業がマイナス15.4で、同1.2ポイント増。
調査対象企業の主なコメントは次の通り。
「人口減少とともに、店舗の老朽化が営業状況の悪化につながっていると思う」(対個人サービス業、秋田)。
「市内の民宿工事がひと段落した感がある。外国人観光客に変化があるように思える」(家具・装備品、京都)。
「熊本地震が5月の連休前だったのが一番影響した。予約のキャンセルで部屋も埋まらず、連休の売り上げで払う予定だった税金も払うことができずにいる。影響が今もなお続いている」(宿泊業、佐賀)。
「4月の熊本震災により週末の観光客の来店が減少。徐々に戻りつつあるが前年同月と比べると売り上げは苦戦している」(飲食業、大分)。
「熊本地震において全てキャンセルとなり入金予定が立たない。建物にも被害があり、その修理もかかる。国道57号も通行止めで人の行き来もままならない状況。この先のことは全て分からない。とても不安だと思う」(宿泊業、熊本)。
「県内において人材確保が非常に厳しく、求人募集で賃金アップを図っても集まらない状況である。一部は外国人留学生を採用し対応しているが、今後も従業員の確保難が見込まれ、引き続き厳しい経営環境である」(対事業所サービス業、沖縄)。 |
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