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トラベル ■第2852号《2016年7月9日(土)発行》  
 

ANTAが創立50周年、記念式典を開催
総会であいさつをする二階会長

 全国旅行業協会(ANTA、会員5500社)は6月29日、平成28年度定時総会と創立50周年記念式典を東京都千代田区の都市センターホテルで開いた。1966年2月22日の創立から今年は50周年を迎え、二階俊博会長は「観光産業の発展に積極的に貢献することが重要だ」と会員旅行会社の使命を改めて示し、その活躍に期待した。

 二階会長は「観光産業は21世紀の基幹産業であることは誰もが認める時代となった。今、会員各社が経営基盤を強固にしながら地域で愛され、信頼される旅行業者として時代の要請に的確に応えることが大事だ。また、わが国の観光産業の発展にいかにわれわれが積極的に貢献をしていくかが重要だ」と述べた。さらに、「5500の会員の皆さんが全旅協の新たな50年の歴史の幕を開き、共に頑張るということを誓い合って、前進を続けよう」と会員に訴えた。

 総会では27年度事業報告・決算や28年度事業計画・予算を審議し、いずれも原案通り承認された。28年度事業は、来年3月に「第12回国内観光活性化フォーラム」を金沢市で開催し、会員活動の活性化と着地型観光の振興に努める。東北・東日本観光復興キャンペーンや鹿児島送客キャンペーンにも取り組む。

 また、軽井沢スキーバス事故を受けた安全対策や新運賃料金の順守など、バス業界と旅行業界が協力して貸し切りバス旅行の安全対策と事故防止に努める。

 国際旅行の振興については、近隣諸国、アセアン諸国を中心に双方向の人的交流促進に引き続き積極的に取り組む。

 創立50周年式典では、各種の表彰を行った。会長表彰の支部長・運営委員の部では、北海道支部・吉田電化センターの吉田雅典、徳島県支部・東和旅行サービスの紺野平、長野県支部・信和観光の相馬靖子の3氏を表彰した。

 ANTA事業功労表彰の表彰者は、海外関係が中国国家観光局、韓国観光公社、アシアナ航空、国内関係が池田孝昭氏(前全旅取締役会長)、観光経済新聞社など。観光経済新聞社についてはANTA活動に関する日頃の報道や双方向交流事業への協力などが評価されたもので、会場で積田朋子社長に二階会長から感謝状が手渡された。

 式典では、「安全・安心の旅の提供」や「お客さまの信頼と信用の向上」など会員の企業行動理念を示した「全旅協創立50周年記念宣言」も行った。



日本旅行新社長が会見、「オンリーワン目指す」と抱負
握手する堀坂(左)、丸尾の両氏

 日本旅行の社長に6月30日付で就任した堀坂明弘氏(前JR西日本取締役兼常務執行役員、60)が同日、東京・日本橋の本社内で丸尾和明新会長とともに記者会見した。堀坂新社長は「強みを伸ばし、オンリーワンを目指す」と抱負を述べ、具体的取り組みとして、インバウンド、BTM、MICE、地方創生の各事業に注力する考えを示した。

 堀坂新社長は「110年を超える老舗の経営を託された。身の引き締まる思いであると同時に、一種の高揚感を覚えている」と現在の心境を吐露。

 社員に訓示した内容として、「旅行業界は厳しい経営環境にある。従来のビジネスモデル自体、今までの延長線上では立ち行かなくなっている。業界第1位であるとか、トータルのシェアを追い求めるという考え方もあるが、当社としては従来からの強み、この分野は他の追随を許さないという部分を伸ばし、業界のオンリーワンを目指していきたい」と述べた。

 特に力を入れる分野として、中期経営計画「ACTIVE2016」で中核事業としたインバウンド、BTM、MICEに加え、地方創生への取り組みにも積極的に関わりたいとした。これら分野については、今後策定する新しい中期経営計画の柱となる可能性を示唆した。

 さらに「必要に応じて、他業種との連携を積極的に行いたい」「関係機関である施設、キャリアとの連携は当然のこと。(出身の)JR西日本、JR各社とも強固な連携を図っていきたい」と述べた。

 8年間務めた社長を退任し、代表権を持った会長に就任した丸尾氏は「強みを持った、筋肉質の会社を作り上げていただけると思う」と堀坂新社長の手腕に期待。自身の今後については、「JATA(日本旅行業協会)と旅行業公正取引協議会の副会長を務めているほか、インバウンドや地方創生のテーマで話を聞きたいとの依頼もある。それらの社外的活動が中心になるだろう」と述べた。



今夏の国内旅行人数、微減の7485万人

 JTBは1日、夏休み(7月15日〜8月31日)の宿泊旅行の動向見通しを発表した。国内旅行人数は7485万人と前年よりも1.0%減少する見込み。この夏は「今後の生活への経済的な不安から財布の紐(ひも)は固いようだが、できる範囲で工夫して旅行は楽しみたい、という気持ちの人が多い」と同社では見ている。

 国内旅行の平均費用は2.9%減の3万3700円と推計。JTBの生活者アンケートで、旅行の目的では「帰省・離れて住む家族と過ごす」が19.4%と3.8%増加し、宿泊施設については「ホテル」や「旅館」が減少する一方、「実家・知人宅」が27.3%と5.5%増加している。今年は帰省が増え、費用を抑える傾向があるという。

 行き先=表=は、北海道新幹線開業に伴い北海道や東北が注目されている。熊本地震後の初の夏休みに帰省やボランティアなどさまざまな目的で九州に出かける人も多い。今春オープンした京都鉄道博物館や15周年を迎えたユニバーサル・スタジオ・ジャパンの効果もあり、近畿も人気だ。

 出発日のピークは8月12〜15日となっている。

 海外旅行人数は、7.4%増の260万人となる見込み。イギリスのEU離脱の影響への懸念から急激に円高が進み、燃油サーチャージは4月からゼロとなり、海外旅行には行きやすい状況だ。

 行き先は景況感を反映してアジアを中心に近場が増える。台湾、タイは昨年に続き堅調で、中国や韓国は復調傾向にある。

 海外旅行の平均費用は14.0%減の21万6300円と予測している。





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