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地域観光 ■第2856号《2016年8月13日(土)発行》    
 

草津温泉で「温泉感謝祭」、2日間で1万2千人の入り込み

 群馬県草津町の夏を彩る「草津温泉感謝祭」(主催・草津町、草津温泉観光協会)が1、2日、温泉のシンボル「湯畑」周辺で行われた。2日夕にはホテル一井で大沢正明知事や関係市町村の首長、JR東日本、旅行業者らを招いた懇親会が開かれ、親交を深めた。

 感謝祭は土用の丑の日、丑の刻(午前2時頃)に入浴すると1年中無病息災であるという言い伝えにより、温泉の恵みに感謝する意味で始まった「丑湯祭」が起源。今回で71回目となる。

 1日夕、第71代温泉女神の山口紗希さん(22)が降臨=写真、巫女とともに「源泉お汲み合わせの儀」や「分湯の儀」などを行った。

 翌日、町内の各浴場に献湯。全ての儀式を終えた女神や巫女らが昇天する「女神昇天」の際にはそれまで降っていた雨も上がり、大勢の見物客は眼前で繰り広げられる荘厳な儀式に大きな拍手を送っていた。

 懇親会には招待者を含め約100人が参加。主催者を代表して中沢敬観光協会会長、黒岩信忠町長があいさつした。

 中沢会長は観光客が増えていることを報告し、「草津の夏の風物詩を存分に味わってほしい」と述べた。黒岩町長は2015年度の入り込み客数がバブル期と同じ300万人を超え、「16年度はさらに1割増しのお客さまを迎えたい。草津温泉(のまちづくり)に完成はないというのが持論であり、進化する温泉地を作っていく」と意欲を示した。

 4年連続の参加となった大沢知事は、「草津は『にっぽんの温泉100選』(観光経済新聞社主催)で13年連続1位という輝かしい実績を上げており、群馬の観光に大きく貢献している。ブランドにおごることなく、まちなみの発展に努めてほしい」と今後の展開に期待した。

 また、6月23日付で就任したばかりのJR東日本の百瀬孝執行役員高崎支社長は「長野原草津口駅で温泉100選13年連続1位のポスターを見て、さすが草津温泉と改めて認識した」と述べた。

 観光協会によると、2日間の入り込み客数は約1万2千人だった。



下呂温泉まつり、火まつりや参進行列
参進行列の関係者

 真夏の湯のまちを盛り上げる「下呂温泉まつり」が1〜4日、岐阜県下呂市の下呂温泉街で行われた。初日の「龍神火まつり」に始まり、「湯の華みこしパレード」や「温泉感謝祭(万里集九祭・林羅山祭)」などイベントが繰り広げられ、期間中、観光客ら約6万人が訪れた。

 湯之島の白鷺橋周辺で行われた龍神火まつりは、降りしきる雨に負けじと男衆の操る5対の龍が太鼓やドラの音に合わせて勇壮な乱舞を披露。2日は湯の華みこしパレードや下呂おどりが行われた。

 3日、まつりのメインとなる温泉感謝祭では天与の恵みである温泉に感謝し、下呂温泉の繁栄を祈った。参進行列はJR下呂駅を出発後、万里九集像や林羅山像のある白鷺橋、下呂温泉神社を通過し、感謝祭が行われる温泉寺まで、芸妓や羅山、山伏、白鷺に扮した関係者が温泉街を練り歩いた。

 滝多賀男感謝祭実行委員長は、「昭和33年に飛騨川の集中豪雨で温泉が消滅する危機があったが、先人たちの苦労や努力のおかげで再び温泉を授かった時の喜びをこの感謝祭でいつも思い出す。全国に名だたる温泉地があるが、日本らしさを残し、世界の下呂温泉になるよう頑張っていきたい」とあいさつした。

 夜には下呂温泉の中心を流れる飛騨川の河川敷で、約1万3千発の花火と音楽のコラボ「花火ミュージカル」が夏の夜空を彩った。



観光庁、観光地魅力創造へ34地域を支援

 観光庁はこのほど、「地域資源を活用した観光地魅力創造事業」の支援先として34地域を決定した。地域の関係者が一体となって実施する地域資源を活用した観光活性化策を後押しする事業で、特に文化財や国立公園を生かした取り組みを選んだ。

 市町村と複数の観光・交通事業者などで構成する協議会から提案を募集。51件の応募の中から支援先を選んだ。

 事業経費の2分の1以内の金額を予算の範囲で国が負担する。支援する事業の事例は、事業計画策定・マーケティング▽着地型旅行商品の造成など滞在コンテンツの充実・強化▽2次交通の整備など旅行者の利便性向上▽外国人受け入れ環境の整備—など。

 支援が決定した主な取り組みは、群馬県富岡市での「富岡製糸場を核としたインバウンド向け観光魅力の発信」、長野県松本市での「アルプス山岳郷DMO主導による国立公園の周遊観光の確立」、京都市での「世界遺産・二条城の観光コンテンツとしての質向上」、和歌山県白浜町での「南紀白浜温泉の魅力を活かしたインバウンド観光の促進」など。





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