観光ボランティアガイド、人数増も組織数は減少 |
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日本観光振興協会はこのほど「観光ボランティアガイド団体調査」の結果を発表した。それによると、2015年度の組織数は前年比60減の1688となった。11年度の1643から増加傾向にあったが、減少に転じた。対して、ガイド数は同2355人増の4万3966人となり、過去最高を記録した。
昨年12月〜今年1月にかけて実施した調査を基にまとめた(13年度から隔年実施)。「未回答の組織もあり、数値は一つの目安」という。1組織あたりの人数は10人以上20人未満の割合が30.7%と最も高い。
ガイド料の有無では、「有料」が37.8%、「実費負担」が22.1%で、「無料」は32.5%だった。有料の場合の料金設定の基準では「その他」(31.3%)を除けば、「ガイド1人あたり」(25.0%)の割合が最も高く、その料金は千円以上2千円未満が多い。「お客様1人あたり」(19.3%)は500円以上千円未満の料金設定の割合が多い。
訪日外国人観光客の増加に伴い、どう対応していくかが課題の一つとなっているが、「外客に対応している」と答えた組織は17.1%と2割に満たない。「対応していない」(37.2%)と「通訳が同行の場合のみ対応」(32.0%)が拮抗している。
対応言語は英語が95.6%を占めている。中国語、韓国語は2割未満にすぎない。一部、外国語表記のパンフレットやマップなどの配布、音声ガイドの貸し出しで対応している組織もあるが少ないのが実情だ。
年間の案内実績を見ると、1組織あたり千人以上3千人未満の割合が25.6%と最も高い。次いで、100人以上500人未満の21.6%。個人と団体の扱いでは「すべて団体客」「団体客の割合が高い」を合わせると49.3%に達し、「すべて個人客」「個人客の割合が高い」の27.7%を大きく上回っている。
年間収入は10万円以上50万円未満が42.1%と圧倒的に多い。500万円以上は5.6%にとどまっている。収入の主な内容は会費、ガイド収入、自治体からの補助金など。
組織を維持していく上での課題も聴いた。それによると「後継者の育成」が約8割を占め、以下「案内技術の向上」「財源」「外国人受け入れ」と続く。
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5月おの宿泊客数、6%減の4040万人 観光庁調べ |
観光庁がこのほど発表した宿泊旅行統計調査の今年5月の延べ宿泊者数(第2次速報値)は、前年同月比5.9%減の4040万人泊だった。ゴールデンウイーク(GW)の日並びや熊本地震の影響で日本人の延べ宿泊者数が減少し、41都府県が前年同月の実績を下回った。全体のうち外国人の延べ宿泊者数は、伸び率は1桁だが、調査開始(2007年)以来、5月の最高値を記録した。
延べ宿泊者数の内訳は、日本人が同7.2%減の3469万人泊、外国人が同2.5%増の572万人泊。全体に占める外国人の割合は14.1%だった。
延べ宿泊者数全体を都道府県別に見ると、九州は軒並みマイナスで、大分県が42.8%減の37万5千人泊、長崎県が26.1%減の58万7千人泊、鹿児島県が20.4%減の57万2千人泊、宮崎県が17.9%減の27万5千人泊、熊本県が13.8%減の56万9千人泊などだった。
他の地域も、GWの5月の日並びが悪かった影響などで前年同月の実績に届かなかった所が多い。北海道、大阪府、沖縄県など6道府県はプラスだったが、東京都が6.7%減の475万人泊、千葉県が8.6%減の181万3千人泊などだった。
延べ外国人宿泊者数を都道府県別に見ると、29都道府県がプラスだった。前年同月の実績に対する伸び率は、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)が1.4%増、地方部(三大都市圏以外)が4.2%増だった。
宿泊施設の5月の客室稼働率(第2次速報値)は、全国が前年同月比2.5ポイント減の57.6%だった。施設タイプ別では、旅館が2.6ポイント減の36.8%、リゾートホテルが4.2ポイント減の53.7%、ビジネスホテルが5.1ポイント減の71.3%、シティホテルが8.1ポイント減の75.4%。
一方、第1次速報値では、今年6月の延べ宿泊者数が前年同月比0.7%増の3771万人泊だった。内訳は日本人が1.4%減の3166万人泊、外国人が13.1%増の605万人。宿泊施設の客室稼働率は、全国で0.6ポイント増の58.0%となった。 |
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