4〜6月期の国内旅行消費額、9%増の5.5兆円 観光庁調べ |
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観光庁は17日、旅行・観光消費動向調査の今年4〜6月期の結果(速報)を発表した。日本人の国内旅行消費額は、前年同期比8.7%増の5兆4610億円となり、2010年の調査拡充以降で4〜6月期として過去最高だった。内訳は宿泊旅行が9.0%増の4兆503億円、日帰り旅行が7.9%増の1兆4107億円。ゴールデンウイーク(GW)の日並びが影響したとみられ、4月の宿泊旅行の消費額が大幅に増加した。
月別の国内旅行消費額は、4月が18.2%増の1兆8130億円、5月が3.0%減の2兆135億円、6月が15.4%増の1兆6345億円だった。今年のGWは土曜を含む3連休が4月29日〜5月1日、5月3〜5日の2回で国内旅行のプラス要因になった。昨年のGWは5月2〜6日が5連休だったため、5月としては減少した。
宿泊旅行は、4月が22.3%増の1兆3708億円と大幅に増加した。5月は3.4%減の1兆4961億円となったが、6月も13.0%増の1兆1834億円となった。日帰り旅行は、6月が22.5%増の4511億円と消費が拡大した。
4〜6月の国内旅行の延べ旅行者数は、8.0%増の1億6708万人。宿泊旅行が7.6%増の8028万人、日帰り旅行が8.4%増の8680万人だった。国内旅行の延べ旅行者数の増加は、ガソリン価格の値下がりに伴う自動車旅行の増加なども要因となっている。
4〜6月の旅行単価(旅行者1人1回当たりの旅行消費額)は、宿泊旅行が1.3%増の5万452円、日帰り旅行が0.5%減の1万6253円となった。
観光庁は今年から、統計精度を高めるため、旅行・観光消費動向調査の手法を一部変更した。これまでは調査対象者に過去6カ月の旅行内容を年2回回答してもらっていたが、今年から過去3カ月分の旅行内容を年4回回答してもらう。
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観光庁、テーマ別観光で7件支援 |
観光庁はこのほど、「テーマ別観光による地方誘客事業」の支援先として7件を決定した。エコツーリズム、街道観光、酒蔵ツーリズムなど共通するテーマで取り組む複数の地域のネットワーク化を促し、課題や成功事例の共有を通じて各地方への誘客を後押しする。
今年度に新規に盛り込まれた事業で、公募に対しては54件の応募があり、審査を経て7件を決定した。地域連携協議会の設立、パンフレットやウェブサイトの作成、周遊プランの造成、プロモーションなどの費用を観光庁が支援する。各テーマへの支援額は上限1千万円。
支援が決定した案件は次の通り(テーマ、設立予定の協議会名〈代表団体〉、事業内容)。
【エコツーリズム】エコツーリズム地域推進協議会(日本エコツーリズム協会)=北海道や群馬などエコツーリズムを進める地域をネットワーク化し、着地型旅行商品の販売方法や地域内の連携方法を情報共有するため、インバウンド向けの調査や商談会、コンテンツの作成などを行う。
【街道観光】街道観光推進会議・日本歴史街道ネットワーク(全国街道交流会議)=全国の街道地域をネットワーク化し、街道に関係する城下町や宿場町などの歴史的風土を生かした「街道観光」をテーマに、共同でのプロモーションやモニターツアーを実施する。
【近代建築ツーリズム】近代建築ツーリズムネットワーク(青森県弘前市)=国立西洋美術館を含むル・コルビュジエの建築群が世界文化遺産登録され、近代建築の文化的価値に対する関心が高まっていることを踏まえ、まず今年度は同氏の弟子であった前川國男氏の建築にゆかりのある全国各地をネットワーク化する。前川氏の作品を巡るモニターツアーの開催やシンポジウム、PRツールの作成などを行う。
【酒蔵ツーリズム】酒蔵ツーリズム推進協議会(アサツーディ・ケイ)=全国各地の酒蔵を新たにネットワーク化し、共同プロモーションに向けた基礎調査やモニターツアーなどを実施する。
【社寺観光 巡礼の旅】社寺観光地域連携協議会(全日本社寺観光連盟)=全国に点在する社寺を巡礼の地としてつなげる「社寺観光」を推進するため、今年度は徳川家康公没後400周年にゆかりの深い社寺(静岡、愛知、埼玉、栃木、宮城)をネットワーク化し、インバウンド向けのモニターツアーや多言語サイトの構築などを行う。
【明治日本の産業革命遺産】明治日本の産業革命遺産世界遺産ルート推進協議会(産業遺産国民会議)=世界遺産「明治日本の産業革命遺産」(8県11市)をネットワーク化し、多言語ガイドマップやホームページ製作などを通じ、各地域に訪問者が周遊する仕組みを構築する。
【ロケツーリズム】ロケツーリズム協議会(地域活性プランニング)=ロケツーリズムに取り組む全国各地をネットワーク化し、どの地域でも実践できるロケ誘致から観光客向け情報発信に至るノウハウのマニュアル化、モデル地域でのロケ地マップの制作、ロケ地ツアーの商品化などを行う。 |
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