JTB、10月から「日本の旬 九州」 |
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販売目標190万人の必達を誓う今井JTB常務 |
国内旅行活性化キャンペーン「日本の旬 九州」を10月から来年3月まで展開するJTBは8月31日、キックオフミーティングを熊本市のホテル日航熊本で実施した。JTB関係者や九州7県の旅館・ホテル、土産品店、観光施設など330人が参加。販売目標である190万人(対前年比10%増)の達成と九州への旅行需要の拡大に向けJTBと各事業パートナーが一丸となって取り組むことを確認し合った。
主催者あいさつでJTBの今井敏行・常務取締役国内事業本部長は「JTBの全ての販売網を使い、日本の旬九州の増売に努める。JTBグループは九州の皆さまにとって最良で最強のビジネスパートナーで有り続けると約束する」と強調し、販売目標の必達を誓った。
JTB国内旅行企画の大谷恭久社長(JTB常務取締役)は「九州には、世界遺産、世界遺産候補、豊富な食材、伝統的な食文化などの魅力が数多く存在する。自然や温泉にも恵まれている。そうした地域の魅力を商品化し、お客さまに感動していただき、新たなお客さまを創り出す」と話した。
その後、JTB国内旅行企画の担当者によって日本の旬九州の取り組み概要が説明された。
日本の旬九州のテーマは「五感にふれる、新体感の旅」がコンセプト。九州の魅力を「見る」旅行としては、「軍艦島」や「屋久島」といった世界遺産・世界遺産候補を見学するプランを設定。「味わう」旅行では、福岡の料亭での「あら(クエ)」会席、宮崎牛の「シャトーブリアン」の鉄板焼きなどのプランをそろえた。
温泉名人が選んだ立ち寄り温泉「九州八十八湯」のうち約40カ所に入湯できる「九州温泉満喫チケット」も企画した。
訪日外国人向けには、日本的な箸や歌舞伎フェイスパックなどのお土産が付いた宿泊プランを用意する。
旅行予約サイト「るるぶトラベル」では、すでに「日本の旬 九州特集サイト」を展開中で、九州の魅力をPRしている。
キックオフミーティング後に懇親会も開かれ、JTB九州の古田和吉社長があいさつし、JTB協定旅館ホテル連盟九州支部連合会の豊田康裕会長(ゆやど雲仙新湯取締役会長)が乾杯の発声を行った。来賓として国土交通省九州運輸局の佐々木良局長、熊本県の蒲島郁夫知事も出席した。
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KNT−CTHDがメディア懇開催、事業の方向性など発表 |
NT—CTホールディングス(HD)は8日、東京都内でメディア関係者を対象とした懇親会を開き、グループ各社の社長らが事業の方向性や中長期計画などを発表した。地域誘客交流事業ではHD内に新たに「地域事業部」を設置したことを報告。収益事業として2020年度には150億円の取り扱いを目指すことや自治体職員の出向受け入れ、幹部クラスの人材の派遣を推進していくことなどを明らかにした。
あいさつしたKNT—CTHDの戸川和良社長は「国内旅行は熊本地震や台風、大雨の影響により低調に推移している。海外は円高で若干回復しているがテロの影響により伸び悩み、訪日旅行は昨年までの勢いがない」としたものの、「下期で回復し、目標数を目指して努力している」ことを強調した。
今年のトピックスとして(1)20年東京五輪の公式スポンサー(2)「ジャパン・ツーリズム・アワード」で国内・訪日領域、海外領域、UNWTO部門賞の三つのカテゴリーでの受賞—を挙げ、特に国内・訪日領域はクラブツーリズムの「世界初!視覚障がい者夢の自動車運転体験ツアーの実現」が優秀賞を受賞したことは「大変励みになる」と語った。
近畿日本ツーリストの田ヶ原聡社長は、未来創造室が取り組んでいるサイクルシェアリングシステムについて、「20年の東京五輪の頃には溢れかえる人の中で自転車が重要な交通手段になる。訪日観光客向けの2次交通としても有効だ」とし、地域観光をサポートする事業として推進していく考えを示した。また、和郷と連携して行っている農業ビジネス、東日本高速などと行っている「道の駅元気プロジェクト」などの事業について「道の駅が地方創生の中で果たす役割、可能性に注目し、食と農業と観光で盛り上げていきたい」と述べた。
近畿日本ツーリスト個人旅行の岡本邦夫社長はメイトについて、「『旅のおすすめ』『テーマがある旅』に力を入れ、価格競争から抜け出した商品造成を進めている」と方針を示した。
店頭販売では専門性の高い接客と情報の優位性を確保するために、店舗にテレビ電話を設置し、コンシェルジュデスクの社員と直接相談できる「旅のコンシェルデスク」を設置していること、店頭での案内時間を短縮するため旅行先や目的を入力すると希望に合うコースを案内してくれる「Qティ(クイックトラベルインフォ)」を導入していることなどを報告。Qティは今後商品数を現在の600コースから1千コースまで拡充させるとした。
ウェブ販売では、クラブツーリズムとのサイトの連携を進めており、「e宿」の契約件数が1万件に達したことを明らかにした。
クラブツーリズムの小山佳延社長は中長期の方向性について発表。安全で快適なバス旅行の強化を掲げ、オリジナルバス「新型クラブツーリズム号」を18年度を目標に100台導入するとした。同バスは9列36人乗りのゆとりある車内に、化粧台とトイレを設置。全席に3点シートベルトを装備し安全性を確保した。「移動する手段というより、乗ることが楽しいバス」を目指したという。
また、ターゲットである65〜74歳のシニア層が25年には260万人減少するため、旅行の回数で減少分を補うリピーター戦略を展開する。全体の4割を占めるテーマ旅行のシェア拡大を図るため、多品種で展開していき18年にはシェア6割に引き上げる方針だ。
KNT—CTHD事業戦略統括部地域事業部長の梶田隆弘執行役員は地域事業部について、新たな収益事業として18年には115億円、20年には150億円を目指すとした。ただ、「スポーツ事業、訪日事業ともリンクするので、全体ではこの3倍の数字が見込める」と強調した。また、自治体職員の研修出向の受け入れ、幹部クラスの人材の派遣など人事交流を積極的に推進し、観光振興協定などにつなげていく考えを示した。
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東武鉄道、日光の魅力引き上げへ金谷ホテルを子会社化 |
東武鉄道は8月30日、栃木県日光市の金谷ホテル(嶺康夫社長)を子会社にすると発表した。同日、金谷ホテル投資事業有限責任組合、金谷ホテル従業員持株会と株式譲渡契約を締結した。株式譲渡は9月30日を予定する。
金谷ホテルは1873年に外国人向け宿泊施設として開業。国指定登録有形文化財で日本最古のクラシックリゾートホテルである日光金谷ホテルと、中禅寺湖畔のリゾートホテルである中禅寺金谷ホテルを保有、運営する。ホテルそのものが日光地区の代表的な観光資源の一つとなっている。
東武鉄道グループは、SLの復活運転や日光レークサイドホテルの建て替え、中禅寺湖遊覧船の新造など、日光地区のさらなる魅力創出に力を入れている。東武鉄道やグループ各社と、歴史と伝統を有する金谷ホテルとのシナジー創出によって日光地区全体の魅力を引き上げたい考えだ。 |
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