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旅館・ホテル ■第2862号《2016年9月24日(土)発行》    
 

全旅連青年部の次期部長に西村氏
握手する桑田(左)、西村両氏

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部(桑田雅之部長=長野県・菅平高原温泉ホテル)は15日、東京のTKPガーデンシティ永田町で臨時総会を開き、平成29年度から2年間の部長に西村総一郎副部長(兵庫県・西村屋本館)を選んだ。来年4月に予定される総会で正式に就任する。

 西村氏は六つの「アクション」を盛り込んだ所信を表明。「観光業は成長産業。けん引するのはわれわれ旅館・ホテル業だ」「人口減少で厳しい時代が予想される今後、われわれの世代が社会の屋台骨を背負っていかねばならない」「この国の未来を背負うのだという自信と誇り、気概と覚悟を持って、皆さんと力を合わせて歩みを進めたい」と述べた。

 「人材に関する取り組み」「国の観光政策立案への積極的な関与」「組織および国内ネットワークの強化」「インバウンドおよび海外ネットワークとの関係強化」「ITを活用したソリューション開発」「経営者として能力向上」の六つの「アクション」に取り組む。

 「人材—」では人手不足に対応する外国人技能実習制度の導入を検討。

 「国の観光政策—」では、民泊や耐震改修など業界を取り巻くさまざまな問題に対応するため、政治との関わりと強化する。

 「IT—」では、生産性の向上につながるハードの導入やソフトの開発を研究する。

 次期部長選出に当たり、7月22日から29日まで立候補を受け付けたところ、届け出たのは西村氏1人だった。現在の桑田部長に続いて、2期連続で無投票での次期部長選出となった。

国会議員、首長へ全県で働きかけを
民泊問題で桑田部長
 全旅連青年部の桑田雅之部長は臨時総会であいさつし、来年1月からの通常国会に提出が見込まれる「民泊新法」に言及した。新法の内容を巡り意見が対立している不動産業界が議員への陳情活動を強力に推進していることに危機感を示し、「執行部だけでなく、全県(の旅館組合、青年部)で国会議員、地方自治体の長に働きかけねばならない」と述べた。

 全国賃貸管理ビジネス協会、自民党ちんたい支部連合会、全国賃貸住宅経営者政治連盟などの不動産業界が9月14日、自民党の賃貸住宅対策議員連盟(ちんたい議連、石破茂会長)議員に「民泊に関する要望書」を提出した。「(民泊の)営業日数の下限は年間180日とすること」「民泊サービスの事業者は『宅建業、旅館業、旅行業』の登録者とすること」「条例での制限を行わないこと」を要望している。

 12月5日は東京(ザ・プリンスパークタワー東京)で同業界による「決起大会」も予定されている。

 6月2日に閣議決定された規制改革実施計画では、新法での民泊営業は「年間半年未満(180日以下)の範囲内で適切な日数」とされ、旅館業界では年間30日以下を主張している。

 桑田部長は「閣議決定されたにもかかわらず、(不動産業界は)年間180日以上を主張している。われわれがしっかりと意思表示をしなければ、この閣議決定もどうなるか分からない。(民泊に歯止めをかける)条例も各地で作ってもらうよう、全ての県で自治体の首長に働きかけてもらいたい」と述べた。

西村 総一郎氏(にしむら・そういちろう)
 昭和49年8月7日生。株式会社西村屋(兵庫県豊岡市城崎温泉、屋号=西村屋本館、西村屋ホテル招月庭)代表取締役社長。平成9年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同年アサヒビール入社。同12年西村屋入社。全旅連青年部では同13年組織活性化委員会副委員長、現在は政策担当副部長。



近旅連が女性文化講座開催、小笠原敬承斎さんらが講演
 近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟(近旅連、西野目信雄会長)会員企業の女性経営者や従業員を対象にした研修会「女性文化講座」が13、14の両日、横浜市の横浜ロイヤルパークホテルで開催され、小笠原流礼法宗家の小笠原敬承斎さんら5組の講師が登壇した。講座では生産性の向上やおもてなしの心について学び、懇親会では会員同士交流を深めた。

 46回目となる今回は会員やKNT—CTホールディングスの関係者ら約70人が参加した。

 開会式で西野目会長は自身の出身地である北海道の台風被害について触れ「実被害よりも、風評被害が甚大。なんとかしなくてはいけない」と訴えた。また「文明開花の地である横浜で2日間学び、夏の疲れを癒やしてほしい」とあいさつした。

 続いて横浜ロイヤルパークホテル専務取締役南安総支配人がホスピタリティマインド溢れるサービスと生産性向上をテーマに講座を行った。生産性向上にはトヨタ自動車の取り組みがホテルでも有効であると提案。バックサイドの「整理、整頓、清掃」を徹底し、「ムダ、ムラ、ムリ」をなくすことが重要であると強調した。「効率性が改善することでホスピタリティなどの品質が向上し、お客さまが期待する以上の感動を呼ぶサービスが実現できる」と力強く語った。

 小笠原さんは「もてなしのこころとかたち」をテーマに、代々伝わる小笠原流礼法を、旅館・ホテルで働く参加者が実践しやすい場面を想定して語った。「作法は臨機応変であることが重要」と繰り返し、作法を学んだ上で、状況に合わせて一番的確な作法や振る舞いができることが大切であると述べた。参加者は興味深い話に聞きいった。

 夜の懇親パーティーではKNT—CTホールディングスの戸川和良社長や近畿日本ツーリストの田ヶ原聡社長、近畿日本ツーリスト個人旅行の岡本邦夫社長、別会場で行われていた近旅連正副会長会議の出席者らも加わり、親睦を深めた。

 2日目は、横浜コンベンションビューローの小原まい子さんが横浜の街の成り立ちや歴史、魅力についてアピールした。

 漢方薬剤師でリンパケアトレーナーの木村友泉さんは生涯現役で居るためのリンパケアマッサージを紹介した。

 最後は、アメリカ人と日本人のお笑いコンビ、パックマックンが外国人へのおもてなしについて笑いを交えながら提案、会場は笑顔に包まれた。





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