──日本旅行業協会(JATA)の会長に6月13日に就任した。今の率直な心境と抱負は。 「JATAという業界団体の持つ意味合いの大きさからすると、その舵を取るのは容易な話ではない。責任の重さをひしひしと感じている。3つの重要なテーマがあり、この状況をどう進むかを見極めなくてはならない。1つは、政府が観光立国を目指すなかで、旅行業界がどのような形で貢献していけるのかだ。JATAは相当重い役割を担う覚悟が必要だ。2つ目は、ビジネスモデルの変化にどう適応するのか。3つ目は現下の状況への対応。例えば、若者が旅行に行かなくなってしまっていること、海外旅行で言えば燃油サーチャージなどの問題、さらに景気も楽観できない」 ──当面する問題への対処のほか、会長として力を入れていく事柄は。 「1300の会員各社は旅行業という点では共通しているが立場はさまざま。業界団体が機能しうるには共通の課題認識を持つことが前提となる。そのためには国内や海外の旅行先や、宿泊施設、航空会社といった関係業界、消費者、行政などの情報を的確に発信していく。情報発信のツールとして、JATAホームページやメールニュースなどの有効性の検証も欠かせない。中身と手段の両面で的確な情報を発信することによって、会員間の課題認識がコンセンサスとして形作られるようにもっていく」 「旅行会社が業界団体に入る大きな意味は、業界全体として取り組むことで需要喚起につながるからだ。いろいろな政策提言をより積極的に行い、需要創出につなげていかなくてはいけない。これに関しては会員間の認識に隔たりはない」。