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 ■観光業界人インタビュー 第2512号≪2009年4月25日(土)発行≫掲載
沖縄を世界のリゾートへ

JTB沖縄
社長
菊知良明 氏


──4月1日にJTBから増資を受けるとともに沖縄事業を移管され、社名も「ジェイティービー沖縄」から「JTB沖縄」へと変更した。

 「JTBの沖縄での展開は、発営業中心のジェイティービー沖縄と仕入れ造成機能の沖縄国内商品事業部、グループ本社直轄の沖縄事業推進本部があったが、それらをカンパニー制のもと1つにまとめた。各カンパニーがシナジーを発揮しやすく、現場での意思決定を迅速に行うためだ。これは関連機関から見ても分かりやすい組織となった。今後我々の取り組み全体を知っていただき、沖縄でのJTBブランドの認知と理解を深めていきたい」

──DMC(デスティネーション・マネージメント・カンパニー)を目指しているようだが。
 「DMCというと、一般的には昔のインセンティブハウス(報奨旅行専門会社)をイメージするかもしれない。もちろん、それも含めて我々は観光産業を中心に広い意味で人を交流させていこうとしている。これはJTBの『交流文化産業』の理念だ。人の交流によっていろいろなビジネスチャンスが創出され、なによりも沖縄の観光需要を盛り上げていきたい。沖縄は、自然、歴史、文化、食、ホスピタリティ、都市インフラなどから世界の一流のリゾートになれると思う。競争力をより高めて一流のリゾートにすることが究極の目的だ」

──沖縄の入域観光客数は2008年度の見込みで604万人。県では16年度に1千万人にする計画を立てている。
 「JTBはグループを挙げて協力したい。まず着地型商品を充実させ、着地型にシフトしていきたい。イメージはハワイやゴールドコースト。これらの地を訪れるお客さまは着地型メニューで過ごしている方が多い。今までのように発地の担当者が旅行商品をいろいろ考えるよりは、着地で地域メニューなりを発掘、商品化してマーケットに発信し、新しい魅力を伝えていきたい」

 「1千万人となると、日本人マーケットだけでは充足できない。100〜200万人規模で外国人を呼ばないと無理だ。昨年の約600万人のうち外国人は多くて20数万人で、パーセンテージとしては非常に少ない。昨年、沖縄県が台北、上海、香港、ソウルの4都市の市場調査を行ったので、それを踏まえて営業強化を図りたい」

──着地型ビジネスとして新たに進めていることはあるか。
 「観光資源の発掘、メニュー開発はもちろん、お客さまにとって最適な商品の選択、購入タイミングはいつか模索している。その一歩としてこの4月から、販売店で購入する企画商品『エースJTB』のオプショナルプランと現地で購入するオプショナルプラン『Rikka(りっか)おきなわ』の2商品を『Rikka沖縄』という冊子に集約し、エース予約時にお渡ししている」

──現地で購入するオプショナルプランとは、具体的にどういったメニューか。
 「代表的なのはダイビングやシュノーケリングなど、細部にわたって説明した方が良いもの。発地の販売担当が自身で体験していないと説明しにくい商品もあるのでないか。天候や体調に左右されるケースもあり、多様なシーンにこたえていきたい」

【きくち・よしあき】
 49歳。1982年4月、JTBに入社。本社営業企画部国内企画担当マネージャー、営業企画本部営業計画室営業計画担当マネージャー、JTBベネフィット取締役総務部長などを歴任。08年6月、ジェイティービー沖縄(現JTB沖縄)社長に。

【聞き手・板津昌義】


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