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■観光業界人インタビュー 第2518号≪2009年6月13日(土)発行≫掲載
DC成功が最大の責務
県の魅力アップに全力
群馬県観光国際協会
理事長
田村亮一氏
──宮崎謹一氏(草津ハイランドホテル)に続く、2代目理事長ですね。
「3月28日付けで就任した。11年7月からJRグループのデスティネーションキャンペーン(DC)が始まるが、私がJR旅連東日本地域本部副会長、高崎支部長を務めていることもあり、白羽の矢が立ったようだ。その意味では、DCを成功裡に終わらせることが最大の責務だと思う」
「6月15日には市町村や観光関連団体・企業、JR東日本高崎支社などで組織する『ググッとぐんま観光宣伝推進協議会』(会長・大澤正明知事)も立ち上がる。来年7月にはプレDCが始まるので、協議会発足後、スピードを上げて対応していきたい」
「群馬でのDC開催は96年の『ほのぼの群馬DC』以来、15年ぶりとなる。JRグループを通じて全国に群馬の情報が発信されるため、県の魅力をアピールするまたとない機会だ。正直、県の知名度はあまり高くないだけに、JRや県、各市町村、そして観光関係者と一緒になって知名度をアップさせる」
──ぐんま大使の任命や新しくロゴマークやキャッチフレーズを作ったりしていますが、効果のほどは。
「ぐんま大使にはタレントの中山秀征さんと井森美幸さんになっていただき、機会あるごとに群馬を宣伝していただいている。キャッチフレーズとロゴも最近できたばかりなので、効果が出てくるのはこれからではないか。とにかく露出すること、これに尽きる」
──協会は旅行業2種登録を生かし、4月から地域密着型ツアーを造成、催行していますね。
「『はばたけ群馬観光博覧会』と銘打って、まず花をテーマに5コースを設定した。地元を知り尽くしたボランティアガイドを付けるのが特徴で、旅行者のもっと詳しく知りたいというニーズに応える。代金も定額給付金を意識し、1人6千円以内に収めた。博覧会は来年3月まで行い、できれば300程度のツアーを企画、実施したい」
──花の次は何でしょうか。
「第2弾は夏の風物詩、蛍をテーマに、6月下旬から実施する。『初夏の榛名でホタル鑑賞&田舎料理体験』など、こちらも5コースを設定した。今回から宿泊を伴うツアーも登場。参加費は大人1人2万7250円で、全コース、ボランティアなどによるガイドが付く。ツアーの企画、造成は地元の方々の協力なくしてはできない。目を転じれば観光資源はいくらでもある。このツアーがそうした“発見”の機会になればいい」
──世界的な経済不況や円高で、訪日外客そのものが減っています。インバウンドについてはいかがでしょう。
「県の観光振興計画は12年度に11万人にする目標を掲げている。現在は約8万人ほどであり、ご指摘の状況が続けば3万人の上乗せは容易ではない。とはいえ手をこまねいていては展望は開けない。まずは諸外国に群馬の存在を知ってもらう必要がある。それには知事自ら、先頭に立ってPRしていただく。秋には中国でトップセールスを行うと聞いているので、成果に期待している」
「JR高崎駅側に地元企業、ヤマダ電機の大型店舗ができたが、これは外客にとっても魅力だ。また、県内には競艇や競輪などギャンブルも多くあり、観光資源となり得る可能性も秘めている。新潟空港から群馬に入り、温泉を楽しんでもらい、ヤマダ電機で買い物をし、日本のギャンブルを楽しんでもらい、東京へ出るコースがあってもいい(笑)。要は何でも観光資源になるということ。多くの方の知恵をいただき、新たな観光資源の発掘に努めたい」
──新型インフルエンザが観光業界にも大きな影響を与えています。
「幸い、県内での感染者はまだ確認されていないが安心はできない。近畿方面では修学旅行の中止や延期が相次いでおり、被害も出ているようだ。決して人ごとではない。行政に細心の注意を払っていただくと同時に、われわれ観光業者も感染者を出さないよう注意しなければならない」
──旅館・ホテルも多くの人が集まります。気が気ではないですね。
「従業員にもうがいや手洗いを励行させている。旅館で起きると一発でアウトだ。早く終息宣言が出るよう期待している」
【たむら・りょういち】
田村氏は四万温泉四万やまぐち館社長で、中之条町観光協会会長も務めている。67歳。
【聞き手・内井高弘】
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