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■観光業界人インタビュー 第2518号≪2009年6月13日(土)発行≫掲載
販売増へ攻めに転じる
協定連盟と深い関係を
タビックスジャパン
代表取締役社長
高橋敬氏
タビックスジャパンの社長に2月1日付で高橋敬・同社代表取締役が就任した。高橋社長に会社の経営方針、協定連盟との連携策を聞いた。
──社長に就任して4カ月。
「前社長の体調不良を受けて、急きょ登板することになった。以前も東日観光の社長をしていたのだが、正直言って『大変だな』というのが本音だ(笑い)」
「会社はおととし、営業利益ベースで約3億円出している。去年は約1億円。おととしから、利益の出る体質にはなっている。今年の利益目標は2億5千万円。余程のことがなければ、今の状況なら達成できると思うし、プラスアルファが出たなら、その分は社員に還元しようと思っている」
──厳しい経営環境だが、勝算はあるのか。
「社内では、『とにかく前向きに物事を考えろ』と言っている。おととしと去年で財務体質の大幅改善を行うとともに、徹底的な経費削減を行い、利益の出る体質作りに努めた。今年も経費の洗い直しは継続して行っているが、販売強化に向け営業本部が強い指導力を発揮して攻めに転じているところだ」
「例えば新聞折り込みチラシの枚数。去年まで合理化の一環で減らしていたが、減らした分だけ当然売上が落ちて利益減にもつながっていた。宣伝媒体として効率が悪いと、社内の皆が思っていたのだが、決して悪くないことが分かった。だから、今年は投入枚数を増やしていく。今年に入ってからの売上数字を見ても、まだマイナスだが決して悪くなく、『これなら戦える』という感触を得ている」
──高橋社長は07年3月、タビックスジャパンのタイヘイグループ入りを機に、同グループから同社へ迎え入れられた。この会社の強みと弱みをどう感じたか。
「まず、感じたのは、皆が固いというか、官公庁のようにきちんとしていて、慎重に石橋を叩いて渡る感じだったこと。『行くぞー』という感じではなかった。私はどちらかというと八方破りが好きで、ちょっと無理して大きいことを言って、有言実行、必ずできると信じる、というタイプだ。今、そんな体質に変えようとしているところだ」
「一般営業よりチラシによるメディア販売を武器にしていたが、チラシによるメディア販売の場合、一般営業に比べてキャンセル率が高い。20%あって当たり前、という世界だ。だが、それではいけないと思う。20%を数%改善していけば、それだけで利益が千万円単位で変わってくる」
「キャンセル率を下げるには、お客さまをきめ細かくフォローすることだ。先頃、お客さまから『(添乗員の)○○さんが素晴らしかったから、次もまたタビックスと思い電話をしたら、応対が悪かった。がっかりした』というクレームをいただいた。応対はしっかりしていたはずだが、プロの目線で商品説明をして、お客さまの目線で話をしていなかったようだ。それでは、お客さまはよく分からないまま『もういいや』となってしまう。そうならないように、お客さまの目線に合わせた、きめの細かい対応をしなければならない。現場には今年、このことを繰り返し話すつもりだ」
──協定旅館ホテル連盟と、協定施設運輸連盟との今後の関係は。
「07年、最初に協定連盟総会に出席した時、感じたのは、『ものすごいパワーを持っているな』ということ。これだけの数の旅館ホテルさん、施設運輸さんが我々の味方に付いているのだと、力強く感じた」
「協定連盟との関係は、今まで以上に強めていきたい。そのためには送客数を増やすしかない。今年から営業本部の組織の中に協定連盟地区会誘客部会担当部長を選任、配置し、全国の各地区会誘客部会との連携を密にして、成果を上げている。今後も連盟の誘客部会で、オリジナルの観光企画を開発していただき、我々の商品にうまく生かせればと思う」
【たかはし・けい】
74年、食材供給事業のタイヘイに入社。同社グループの東日観光社長などを経て、07年3月、タビックスジャパン非常勤代表取締役。09年2月から現職。59歳。
【聞き手・森田淳】
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