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観光業界人インタビュー 第2576号≪2010年9月4日(土)発行≫掲載
従業員のスキル向上で
旅館の魅力を高めたい


日本の宿おもてなし検定委員会 委員長
小口 潔子氏

──おもてなし検定(http://omotenashi-kentei.jp/)を設立した目的は。
 「旅館は、日本の文化を大切にしながら、時代の変化に応じて自身を変化させて継続してきたが、今、社会が高度化し、国際化もしている大きな過渡期にあたり、旅館のおもてなし自体を見直していく必要がある。旅館を支持してくれる人の中にも、現代に対応したおもてなしへの期待や要望もある。旅館のおもてなし文化の基本線たるものを作っていこう、それによって旅館の従業員たちの資質が向上し、サービスが高まっていく。そんな思いを描いてこの検定制度を設けた」

──制度はJTB協定旅館ホテル連盟が提起し、国観連や日観連、全旅連の旅館3団体なども加わって委員会が組織されている。
 「ホテル業界にはサービスの品質に関するきちんとしたシステムがあるが、旅館業界では、個性ある個人経営者たちがそれぞれの考え方によって、それぞれのおもてなしの仕方を創り上げてきた。この個性的な旅館のおもてなしを1つにまとめるのは非常に難しいが、個々の旅館経営者の間でも何か制度があった方がいいと長年考えられていたのだろう。1つ声が挙がってみると、自分もそう思っていたという皆さまの賛同を得られた」

──確かに、各旅館によって異なるおもてなしを検定するのは容易ではない。
 「例えば、『おいしい』という気持ちを『すてきだ』と言ったり、『甘い』と言ったり、『心がほっとする』とか、いろいろ個性的な表し方はあるが、現実に基礎になるものは同じだ。その同じ部分をみんなでしっかり共有することで、かえって個性的なサービスの仕方ができるのではないか。基本的な部分が同じということは、サービスをする側の者にとっても大事だが、お客さまにとっても、一定のサービスが受けられるという安心感がある」

──検定の第1回を昨夏に実施。第2回は今年6月25日〜7月15日に試験を行い、8月10日に合否を発表したばかりだ。
 「1回目は試行錯誤のうえでの実施だったが、トラブルもなく、うまくいった。インターネット上での試験なので旅館の従業員たちにうまくアジャストするかという心配はあったが、最近の若い人たちは学校でパソコンに慣れているので割合大丈夫だった。若手は積極的に受けている気がする。ただ中年の人たちは、それで受験に渋る人もいる」

 「問題数60で、正解率80%以上が合格だ。昨年の初級は2745人が受け合格が2223人、合格率は81%。今年の初級は受験者数2694人、合格者数2008人で、合格率が75%。今年初回の中級は1123人のうち1035人が合格。合格率は92%と高く、初級を受けた人だから、やり方が分かっていて、上手に受けたのかもしれない」

──受験者の反応は。
 「感想を聞くと、合格した人たちは認定バッジを受け取って、『プライドを持ってこの仕事をやってきて良かった』という印象をもったみたいだ。テキストで学ぶことで、今一度自分の仕事を見つめ直すいいチャンスだったとか、自分のサービスに対する考え方をまとめることができたとか、受験者が割合ポジティブに考えている。私たちが思っていたよりも、受験者が大きなものを得て、仕事の励みになっているようだ」

──今後の展望は。
 「今年の受験者数は初級、中級を合わせて4千人、旅館数で言うと400施設ぐらいだ。旅館業界の規模から言ったら、まだまだの数字。宣伝と参加意識の醸成でもっと増やしていきたい。ただ1回のテストの合格だけではなく、表彰制度とかコンテストとかで盛り上げて、持続可能なシステムにもしていきたい」

 「旅館の魅力の1つ、ゆったりとしたくつろぎの空間を楽しめるのは、おもてなしがあればこその部分がある。おもてなしの質の向上で旅館の魅力が高まり、国内海外を問わず、旅館のファンが増えれば、それは旅館業界にとっていいことだ。業界でもっと積極的に取り組む必要がある」

【おぐち・きよこ】
 福島県・磐梯熱海温泉 四季彩一力(http://www.ichiriki.com/)女将

【聞き手・板津昌義】


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