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観光業界人インタビュー 第2605号≪2011年4月16日(土)発行≫掲載
被災地からのメッセージ
現状といま望むこと


ホテル松島大観荘社長(JR旅連会長)
磯田 光治氏

──3月11日午後2時46分。地震発生の時、どうしていましたか。
 「館内にいました。幹部のミーティングをしようと思っていた時です。ドン、ドン、ドーンと、音とともにすごい揺れが4分ほど続きました。ちょうどチェックインが始まった頃で、その時点で120人ぐらいお客さまがいました」

──まず行ったことは。
 「とにかくお客さまを誘導しろ、ということで社員に指示をしましたが、すでにお客さまはほとんど玄関口に避難していました。お客さまと社員、それからうちは海抜40メートルの高台にある8階建てで、もともと町の避難所になっていましたから、町の住民の方も避難をしてきて、合わせて300人ぐらいが大広間に集まってきました。そこで津波警報が解除される14日まで、皆で寝泊まりをしました」

──食事や風呂は。
 「食事は週末でしたので食材を多く仕入れており、問題ありませんでした。1日3食、バイキングのような形で出していました。ただ、お風呂はダメでした。ライフラインは、ガスはプロパンなので問題なく、水は貯水タンクに150トンぐらい溜まっていましたので、当面は間に合いました。電気はダメでした」

──警報が解除された後は。
 「住民の方は、町から町が管理する避難所に移るように言われて、そちらに移って行きました。お客さまには希望を聞いて、残る方は残ってもらい、帰る方は仙台市内までバスでお送りしました。残ったお客さまはその後、三々五々、帰って行きました」

──被害の状況は。
 「旅館の建物は窓ガラスがいくつか割れたぐらいで、大きな問題はありません。インフラも徐々に回復し、最後の水道が31日に通りました。ただ、海のそばの五大堂前にあるうちの物産店は津波でシャッターが壊れ、水浸しになりました。しかし、津波は1メートルぐらいでそれほど高くなく、瑞巌寺も壁にひびが入った程度で済んだようです。松島の264島が防波堤の役割を果たしたようです。まわりのお店も間もなく営業を再開するところがあるようです」

──旅館の予約とキャンセルの状況は。
 「11月頃まで4万人ぐらいの予約がありましたが、いったんすべてキャンセルになりました。ただ、警察や工事関係、医師など、復興支援の方の予約が入っています。4月3日から営業を再開します。インターネットで情報を公開しているので、一般のお客さまからの問い合わせも徐々に来ています」

──いま、何を望んでいますか。
 「政府に対しては金融や物流など、経済活動にかかわる復興支援です。1日も早く新幹線などが復旧してもらいたいです。旅行会社に対しては、自粛をしないでいただきたい、ということですね。私達はお客さまが来て初めて商売が成り立ちます。いま、先の見えない戦いになっています。自粛からは何も生まれません。人と人との交流が活発になることから、被災地も勇気をもらい、復興の芽が出てくると思います」

 「社員は全員無事でした。28日に連絡がとれなかった最後の不明者から連絡が来ました。29日に朝礼を行い、『生かされた我々は復興のために働く使命を与えられたのだ。がんばっていこう』と話しました。もう社員は皆、制服を着ています。先の見えない戦いですが、元気を出して、がんばっていきたいと思います」

【いそだ・みつじ】

【聞き手は本社・森田淳。インタビューは4月1日に行いました】


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