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観光業界人インタビュー 第2620号≪2011年8月13日(土)発行≫掲載
会員増で財政基盤確立
地熱や排水問題に対応


日本温泉協会 会長
廣川 允彦氏


──観光業界にはいくつもの団体がありますが、日本温泉協会の特徴は何でしょう。
 「温泉という自然の恵みを適正に利用し、保護することや、温泉文化の普及などを目的としていることであり、何と言っても事務局に天下りがいないことが他の団体と大きく違う点だ。また、温泉に詳しい学識経験者らが集まる学術部委員会があることも特徴だ」

──11年度はどんな取り組みを。
 「会員の拡充並びに事業の見直しによる財政の健全化、公益法人制度改革を踏まえた組織のあり方の検討、地熱関連の動向についての情報収集と対応を重点目標に掲げた。特に会員(現在約1500)については、団体としての力の維持・発揮、財政基盤の確立の意味からも増やしていかなければならない。その意味では日本秘湯を守る会が全会員(約200軒中、これまでの未加入約80軒)の入会を決めてくれたのは心強い」

──温泉協会に限らず、団体の脱会が増えている。加入のメリットを示せないとなかなか入ってこないのでは。
 「地熱の問題など個人の力では対応するのに限界がある。団体だからこそできることもあるのだが…。今こそ会員の団結をお願いしたい。当面、協会としてはホームページ(HP)『温泉名人』に宿泊予約機能を付け、会員の集客に役立つような仕組みを構築したいと考えている。いずれにしろHPは全面的に見直し、その過程でポイント制宿泊予約サイトとの連携も模索していく」

──天然温泉表示看板も入会メリットと言えなくないが、思うように普及はしていない。
 「今年3月末現在の状況は307施設・602枚となっている。評価はともかく、協会だからこそできる事業であり、廃止することは考えていない。どうブランド化するかが今後の課題だ」

──温泉協会は全国組織ではない。都道府県にある温泉協会を組織化する考えはありますか。
 「大きな課題だ。現状、温泉協会がある都道府県は14県しかない。温泉数は都道府県によってばらつきがあり、協会として組織化しにくいところがあるのも実情だ。一方で、地方の温泉協会から『横の連絡がとれるような仕組みを作ってほしい』との要望もある。全国ネット化はともかく、地方協会と話し合いの場を持つ必要性は感じており、近く東京で行う計画だ」

──福島第1原発事故を契機に、エネルギーに対する考え方が変わってきています。地熱に目を向ける動きがあるが、どう見ていますか。
 「協会のスタンスは『無秩序な地熱開発は反対』であり、6月の総会でもこの方針を確認した。昨年5月には、内閣府に『既存温泉地や影響が予測される地域での地熱発電開発は、救済方法が明確化されない限り断固反対である』という意見書も提出している」

──環境省は7月、「地熱資源開発に係る温泉・地下水への影響検討会」を立ち上げました。
 「8月に協会として意見を述べる場も与えられており、ここできちんと考えを伝える。協会としても地熱対策特別委員会(委員長・佐藤好億副会長)を立ち上げている。既存の温泉地が影響を被らないよう、協会挙げて全力で取り組んでいく。会員の積極的な情報提供をお願いしたい」

──温泉排水の問題も避けては通れません。
 「13年6月まで現行暫定基準値が適用される。問題はそれ以降だ。まだ2年あるとは考えず、機会あるごとにこの問題は議題にのせていきたい」

──一時の勢いはなくなったとはいえ、日帰り温泉施設は多くの人が利用している。謳い文句通り、天然温泉がどうか分からない施設もありますね。
 「我々温泉業者からすれば、顔をしかめたくなる施設があることは事実だが、利用者も分かっているのではないか。入浴をきっかけに『今度は本物の温泉に入ってみよう』と思ってくれればいい(笑)」

──会員に望むことは何でしょう。
 「温泉と温泉文化を守るために、共に力を合わせてやっていこう、と。ぜひご協力をお願いしたい」


【ひろかわ・のぶひこ】
慶大卒。松川屋那須高原ホテル専務、社長などを経て、05年4月から会長。03年6月に温泉協会副会長、今年6月会長就任。国観連副会長、栃木県観光協会会長など歴任。栃木県出身、74歳。

【聞き手・内井高弘】


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