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観光業界人インタビュー 第2660号≪2012年6月16日(土)発行≫掲載
KNT、近旅連と連携し
送客につながる商品を


KNT全国ひまわり会会長
仲地政英氏


──全国ひまわり会設立の経緯と目的は。
 「近畿日本ツーリスト(KNT)だけこれまで、観光施設や運輸関係事業者の全国組織がなかったことから、4年ほど前から近畿日本ツーリスト協定旅館ホテル連盟(近旅連)のようにKNTと連携しながら独自事業を行えるような全国組織を望む声が出ていた。沖縄、九州、北海道などには近旅連の地域連合会と同じような組織があり会員数も多かったため、3地域会をモデルとして全国組織の設立を進めていこうと昨年初めて会合を開き、今年2月に発足に至った。現在700強の会員が加入している」

 「『旅館・ホテルだけで旅行商品が作れるのか』という声は旅館・ホテル関係者からも聞く。われわれ観光施設、運輸機関などはかなり情報を持っているので、当会が近旅連と一緒になりながらKNTに協力し、一緒になって送客につながる商品を作っていけるようにするのが目的だ」

 「近旅連に対しては、KNTから会社の現状や事業方針の説明が十分なされていたが、われわれにはこれまで、断片的にしか話が伝わっていなかった。KNTの1月の組織再編についても、近旅連総会に出席したことで詳しい内容をうかがえたというのが本音だ。このような詳細な情報が全国組織の創設で当会の各会員にも十分に伝われば、会社に対してどのような支援ができるのかをより主体的、具体的に考えられる」

 「全国ひまわり会の総会などが地域同士の情報交換、懇親の場となり、『こちらでもまねできないか』などの考えが出てくるようになることも創設の狙いの1つだ。北海道、沖縄は合同キャラバンなども行っているが、九州地域でも名古屋方面で自分たちの地域をアピールしようという動きが出ている。こういった動きをまねしながら各地域の組織がもう少し活性化できればと考えている」

──具体的にはどのような活動を行っていくのか。
 「基本は地域会ごとの活動だ。例えば沖縄の場合は一昨年、近旅連に協力いただきKNTの仕入担当に提供している観光情報を最新のものに入れ替えた。このほか長野の会員が首都圏のKNT社員に向けた情報交換の場を設けたり、東京近郊の会員がECCセールス担当者との意見交換会を行ったりしており、地域ごとに今年も同様の活動を展開していく」

──新たに取り組む事業はあるのか。
 「近旅連の西野目信雄会長にもご理解いただき、近旅連の各地域連合会内の『情報連絡委員会』や『修学旅行部会』に当会から会員が2、3人ずつ参加して一緒に議論することになった。近旅連と一緒にやっていくことが大事だ。近旅連の力を借りながら何かを作り上げるようなモデルが全国的に広がればいい。私個人の考えとしては、最終的にはひまわり会と近旅連が1つになるのが時代の流れだと考えている」

──会員数拡大のための取り組みは。
 「当会とKNTの協力により良い商品ができて、さらに送客が増えることに、会員増などあらゆることが付随すると考えている。ただし送客数だけを追うのではなく、お互い収入が上がるような形で受けられるようにしていかなければならない。当会としては誘客と商品造成、開発に重点を置いていきたい。会員が意見を言いやすい、要望を出しやすい形が作れれば、誘客面のすそ野が広がっていくのではないか。KNTでも全国のひまわり会が設立したことを社内で十分に説明していると聞く。社員の認知度が高まれば、当会の会員も意見交換などがしやすくなると期待している」

──沖縄の方が関係団体の全国組織の会長になるのは初めてだ。
 「沖縄は地域を挙げた観光への取り組み意識が高く、行政との予算折衝などのノウハウはたくさん持っている。先日も他の地域の方から参考にしたいとの声があった。行政との取り組み方なども各県でも同様に声を出していけるようになれば、誘客事業の幅を広げることにもつながる」

 「各会員が自分で考えながら動き、意見を言えることを大切にしたいと考えている。まずは1年かけてでもじっくり納得していただき、事業計画や規約なども変更していきながら、最終的には皆さんが『全国組織ができてよかった』『加入して良かった』と思える形にしていきたい。認知度向上のためにも、地域会の名称をKNTのシンボルである『ひまわり』を冠した『ひまわり会』に統一するのが理想だ」


【なかち・まさひで】

【聞き手・小林茉莉】


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