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観光業界人インタビュー 第2804号≪2015年7月4日(土)発行≫掲載
連載・観光で地方創生を③

加賀屋相談役
小田 禎彦氏


──安倍内閣では「地方創生」に力を入れています。

 「地方都市の半分に当たる896都市が2040年までに消滅してしまうと言われている。石川県には『STEP21県民推進会議』と『いしかわ創生総合戦略会議』という、地域活性を目的とする知事の諮問委員会があり、私は県観光連盟の理事長として、この二つの委員を務めている。これらの委員の共通意見として、地方の元気がなくなっているポイントは、過疎化、高齢化、少子化だ。商店などが廃れていくのは人が少ないから。地方創生、地域活性化は、平たく言えば、定住人口をどう増やすかだ」

──地域活性の手段として観光が注目されています。

 「定住、移住とまでいかないまでも、一時滞留の人口を増やさなければならない。リゾートとは、たびたび訪れる場所という意味。観光をきっかけに定住につなげることが地域にとって大切だ」

──地域に人を呼び込むために必要なことは。

 「二つの要素がある。一つは交通手段だ。人が来やすい環境を陸海空で整備する。石川県も北陸新幹線の開業効果によって、東名大から訪れる700万人が300万人プラスされて今後1千万人になるという。交流人口が4.8倍になる」

 「もう一つは、SDA(サスティナブル・ディファレンシャル・アドバンテージ)、『ずっと存続する競争上の差別化』が重要だ。どこにでもあるような町、同じような県では埋没してしまう。モノマネではなく、訪れてくれた人が『いいところに来たな』と本当に思える、どこにも負けない売りを真剣に考えていく以外に地方の再生はない」

──旅館は地元の雇用に貢献していますが、すぐに辞めてしまう社員も少なくありません。その課題解決のため加賀屋は社員向け制度の充実に努めています。

 「新入社員は例年30人くらいだが、昨年4月から67人、今年4月から76人のはつらつとした新卒の男女が来てくれた。新幹線開業に備えた。『サービスを良くしろ』『売り上げを上げろ』の教育だけではだめだ。加賀屋では、お茶やお花、英会話、テーブルコーディネートなどの教育も行っている。自分の知識を高められるようにしてあげれば、やる気を出して残ってくれる。旅館の仕事はお客さま次第なところがあって、うれしことも悲しいこともある。いろいろと相談に乗る制度も設けている」

──旅館の役割は。

 「旅館は1泊2食を売る商売ではなく、『明日への活力注入業』。もてなしで人を元気付けるのが社会的な使命だ。また、地域における活力にもなっている。雇用効果だけでなく、宿泊して消費していただいたお金が1次・2次・3次産業へと裾野広く流れ、経済波及効果も高い。昔は不要不急産業で、銀行もなかなかお金を貸してくれず、地元の能登では『おぞい(みすぼらしい)商売』と言われていた。それが今は、人や地域に元気を出してもらうために有効な産業だと認識が変わってきた。旅館業界に働く者がそういった役割をしっかりと理解して頑張ることが、地域の活性化や過疎化の解消にもなる」


【おだ・さだひこ】
立教大学経済学部卒業後、加賀屋に入社。社長、会長を務め、2014年から相談役。石川県観光連盟理事長、能登半島広域観光協会理事長。石川県七尾市出身、75歳。

【聞き手・板津昌義】


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