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■いらっしゃいませ! 第2571号≪2010年7月24日(土)発行≫掲載
第589回「よその旅館ホテル」
橘家旅館(和歌山県・有田市)
橋爪 正文さん
──宿の一番の売りは何でしょうか。
「紀伊水道で捕れる海の幸を使った料理です。夏場はアユやタチウオもおいしいですが、ハモ、アワビなどがおすすめです。特にハモは、京都の高級料亭に送られるような上質な物が地元で揚がるので、洗いやシャブシャブなどで供しています。秋にかけてはサバやアジ、冬はクエ、イセエビがおすすめです」
「お土産用として、サバやタチウオを使った棒寿司『おっぱ寿司』を作り、販売しています。地元では昔、ミカン栽培などで忙しい女性たちが、子どもを『おっぱ(おんぶ)』したまま簡単に作れるものとして、酢飯の上に塩漬けにした魚を載せて握り飯のようにしたものを作り食べており、これを元にしています。非常に好評で、高島屋や近鉄百貨店などにも出しています」
──客層は。
「8割が和歌山市内や有田郡市から、残りの2割は大阪方面からの方ですね」
「地元の方は電話予約が大半です。しかし40代以下の方は、当館のホームページをご覧になり、新しい宿泊プランや宴会プランの情報を集めてから電話されるようです。宿泊は、直予約以外にネットエージェントや旅行会社経由もあります」
──経営上の課題を教えてください。
「人づくりです。サービス業は人と接する部分が多いので、対お客さまや従業員同士のコミュニケーションが重要になってきます。また料理に力を入れているので、板場と仲居の連携の取り方や、的確なサービスの提供が求められます。全体ミーティングは難しいので、女将や私が状況に応じて話をするなどして、よりよいサービスのための人づくり、体制づくりを心掛けています」
【15室、1泊2食1万2千円から】
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