──「地獄釜会席」という名物料理があるそうですね。 「エビ、カニ、サザエなどの魚介類を地獄(温泉)の蒸気で蒸したものや、前菜、小鉢、季節の野菜、焼物などが付いています。素材によって料金が異なり、上の方になると豊後牛のロースが付きます。うちの敷地で高温の温泉がわいています。中庭にある釜で温泉の蒸気を利用して蒸し料理を作ります。栄養分が流れず、おいしいと評判です」 ──温泉の成分は。 「ナトリウム塩化物泉です。源泉かけ流しで使っています。とても温まるお湯で、入った人は朝まで体がポカポカになっているといいます。冷え性や神経痛、ストレス解消にも効きます」「温泉の蒸気は料理のほか、冬の暖房と掘りごたつにも使っています。温泉に恵まれていて本当に助かっています」 ──サービスで心掛けていることは。 「心やすらぎ、気楽にお過ごしいただけるようにと努めています。湯治で来る方も多く、自炊の設備も備えています」 ──経営で苦労されていることは。 「今が一番厳しい時で、大変苦労しています。震災の影響で皆さん自粛されているようです。こんなに厳しいのはオイルショックと、リーマンショック以来ですね」 ──予約はどんなふうに。 「電話で承っています。ホームページもありますが、即答できますので、電話がいいですね」 ──1泊2食の料金は。 「平日1万円からで、地獄釜会席が付くと1万3千円からです。連泊ですと、2泊目は朝食のみで夕食を街で召し上がっていただくなど、ご予算に応じて対応しています」 【12室、28人収容】