──宿の特徴は。 「和風の伝統を持った旅館で、高山では一番の老舗です。旅館を始めたのは昭和9年ですが、建物は大正時代のもの。内部は今のお客さまニーズに合わせて改装しています」 ──どういったもてなしをしていますか。 「飛騨高山は『日本人の心のふるさと』というキャッチフレーズがあったように、情緒のある場所だとイメージされています。その期待を裏切らないようにしています」 「応接間では、自由にくつろいでいただけるよう、コーヒーを無料で提供しています。無線LAN環境にもしているので、お客さまはパソコンで次の行程を調べながら楽しそうに雑談するなどして過ごしておられます」 ──食事は。 「夕食、朝食ともに部屋出し。地産地消ということで、人気のある飛騨牛をメーンにして、できるだけ地のものを使っています」 ──客入り状況はどうですか。 「高山は外国人客が多いのですが、東日本大震災の影響で激減しました。国内も以前から景気が良くないところに、旅行を控える動きが加わって、苦戦しています。ただ、まるっきりなかった外国人客が6月になって徐々に入ってきたので、このまま戻ってほしいと願っています」 ──最近の傾向として何か気付くことは。 「以前から団体客は皆無で個人客ばかり。従来は年輩の2人組とかが多かったのですが、子ども連れのファミリー層が増えてきました。時には、おじいちゃんやおばあちゃんも一緒に。旅行の形態が家族中心になりつつあるのかなと感じています。だから今、小さいお子さんを退屈させないためにどうするかなどを考えています」 【21室、1泊2食付き1万5千円から】