──宿の魅力は。 「温泉です。客室数10室の宿ですが、かけ流しの白いにごり湯を楽しみにしてお越しになる方が多いですね。元湯・鹿の湯を源泉とする硫黄泉です。浴室は千慈の湯と若鹿の湯があり、男女入れ替え制にしています。寝湯や打ち湯、かぶり湯もあります」 ──料理は。 「ヘルシーな京風料理をコンセプトにしています。高級食材を並べるだけの料理ではなく、旬の地場の食材をできるだけ使い、調理に腕をふるって素材の持ち味を生かすようにしています。夏場は、ホクホクでおいしいカボチャの巾着包み揚げなどの評判がいいですね」 ──朝食にもこだわりがあるとか。 「お1人さまの分ずつ炊き上げた釜めしをお出ししています。朝食では珍しいと思いますが、20年ほど前から続けていて好評です。釜底のおこげも喜ばれています」 ──客層は。 「子どもさんのいる家族、夫婦のお客さまが中心です。東京方面からお越しになる方が多いのですが、今年の夏は東北のお客さまも増えました。温泉につかってのんびりされたり、周辺のテーマパークに出かけたりと滞在を楽しんでおられるようです」 ──予約経路は。 「インターネットを通じた予約が自社ホームページと業者を合わせて4割ぐらいになっています」 ──経営課題は。 「小さい宿だからこそ、お客さまの好みや要望にはできるだけおこたえしていきたい。震災に伴う風評被害などで厳しい時期です。新しいことを始めるというよりは、おもてなしの完成度をさらに高めていきたいと考えています」 【1泊2食付1万500円から】