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いらっしゃいませ! 第2632号≪2011年11月12日(土)発行≫掲載
第649回「よその旅館ホテル」
備前屋(奈良県・長谷寺)
土佐フクエさん
──長谷寺の参道にある宿ですね。
「参道に建つ和風旅館で、創業して100年近くになります。お客さまも参拝と観光の方が半々です。長谷寺は歴史のある立派なお寺ですし、牡丹の美しさでも有名です。牡丹だけでなく、桜、紅葉もきれいで、年間を通じて花を楽しむことができます」
──客室は。
「部屋数は12室です。吉野の銘木をふんだんに使用した落ち着きのある部屋で、節目のない木の使い方などにこだわりがあります。新しい部屋にはない魅力を感じてもらえるとうれしいですね」
──料理は。
「地元の食材を中心に使った郷土の味を『隠国膳』としてお出ししています。『隠国』(こもりく)とは、万葉集で当地を指す『泊瀬(はつせ)の里』の枕詞です。かしわのすき焼き、にゅうめんなどを会席料理として楽しんでいただきます。食事は部屋食で、5人以上のお客さまの場合は別のお部屋を用意します。その時も他のグループといっしょにならないように配慮しています」
──客層は。
「年配の方から若い方までさまざまです。長谷寺の末寺の関係で、関東、東北方面からお越しになるお客さまが多いですね。ですから東日本大震災ではずいぶんと宿泊キャンセルが出ましたし、被災地のことも心配でした」
──経営で心がけていることは。
「お客さまには誠心誠意、真心を持って接するように心がけています。田舎の宿ですから、心が一番大事です。うわべの笑顔はすぐに分かってしまうものです。心が通じたお客さまには、その後も何度もお泊まりいただけていると思います」
【1泊2食付き1万2600円から】
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