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いらっしゃいませ! 第2645号≪2012年2月25日(土)発行≫掲載
第662回「よその旅館ホテル」
桐屋旅館(長野県・野沢温泉)
片桐アキラさん
──今期は野沢温泉にスキーが伝わって100周年ですね。
「スキーの楽しさを見つめ直そうという気運が地域に高まっています。スキー人口の減少が言われますが、家族3世代にわたって野沢温泉に来られる方もいます。まずは安全が第一と言うことで、村も安全確保に関する条例を新たに制定するなど、受け入れ環境の見直しに努めています」
──今期の入り込みは。
「比較的好調だった前期並みの状況です。震災の影響を心配しましたが、豪州を中心に海外のスキーヤーも来ています。『日本の復興を応援しようと来た』という方もいます。当館はスキーシーズンの宿泊客のうち約半数が外国人です。10年前からインバウンドに取り組み始め、毎年、豪州へのプロモーションにも参加しています」
──旅館に滞在する外国人の反応は。
「日本庭園や数奇屋造りの客室、自家源泉かけ流しの温泉は大変に喜ばれます。ただ、食事に関してはベジタリアンの方もいますので気を配っています」
──スキーシーズン以外の集客は。
「国内の旅行者の間では、温泉街の散策が見直されてきたように感じます。野沢温泉でも歩いて楽しめる温泉地を目指し、建物の色などに配慮して魅力的な景観を維持、創出しようという動きが出てきています」
──歴史のある宿ですが、経営で心がけていることは。
「1888(明治21)年の創業で私は5代目になります。野沢温泉は小さな村ですが、祭りや生活に独自の文化があります。他にない魅力が地域に残る地で当館も小さな宿ならではの独自性を出しながら地域の誇りを受け継いでいきます」
【15室、1泊2食1万3800円から】
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