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いらっしゃいませ!  第2650号≪2012年3月31日(土)発行≫掲載
第666回「よその旅館ホテル」

椿館(青森県・浅虫温泉)

蝦名 幸一さん

──セールスポイントは。
 「源泉が9本あり、今はそのうちの7本を混ぜて掛け流しで浴槽に使っています。単純温泉で、ゆっくり入浴できて体が温まります。効能は神経痛や疲労回復など。アルカリ性で、肌にも良いです」

 「明治天皇が明治9年の東北巡幸の際に宿泊され、入浴されて『眼がすっきりした』とおっしゃった。それ以来、椿館の湯は目に効くという評判になり、棟方志功や太宰治などが好んで泊まるようになりました」

──棟方志功は定宿にしていたとか。
 「昭和15年の38歳の時から毎年の夏、富山に疎開していた時期は除いて、亡くなる前年の78歳までずっと来られました。ロビーに直筆画を展示しており、希望者には作品の説明や当時のエピソードを話しています」

──料理はどんなものを出していますか。
 「旬の魚介、野菜を使っています。味付けは青森流で、都会の人にとっては濃い味になっています」

──自然が豊かと聞いています。
 「7月になるとホタルが出ます。道路のすぐ脇が田んぼで、人が居るとホタルが寄ってくるので、子どもたちは大喜び。ホタルが見られる7月末ごろまでお客さまを積極的にご案内しています」

 「樹齢700年、長さ28メートル、胴回り6.6メートルの日本で2番目のアカマツの巨木もあります」

──最近の客入り状況はいかがですか。
 「東日本大震災の被害はなく、自粛ムードも収まって7月ごろから12月までは良かったのですが、今年1月からは連日のように豪雪のニュースが流れたせいで厳しくなりました。温かくなる4月からに期待しています」

【26室、1泊2食付き1万円から】


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