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いらっしゃいませ!  第2785号≪2015年2月14日(土)発行≫掲載
第801回「よその旅館ホテル」

山塩館(長野県・鹿塩温泉)

平瀬 定雄さん

──海のない土地ですが、塩分の濃い温泉が出るとか。
 「2万年ほど前の太古の塩水が湧き出ています。なめてみると確かにしょっぱく、秘湯というか、珍しい温泉です。塩分濃度は3〜4%と海水とほぼ同じですが、ほとんどマグネシウムが含まれておらず、きつい感じはしません」

──塩を販売しているようですね。
 「源泉を煮込むと塩分だけが残り、塩が精製されます。『自家製の塩(山塩)を作っている宿』というのがセールスポイントの一つです。大量生産できないのが悩みの種ですが、おかげさまで購入希望者も多いですね。二つの商品を販売しており、価格は50グラム550円からです。料理にもよく合いますよ」

──料理の特長は。
 「板前はいません。自分たちが本当においしいと思うものを、家族全員で心を込めて作り、出しています。地元の味にこだわり、その一つが古くから伝わる鯉料理です。鯉のうま煮(甘露煮)や丸ごと山塩焼きなどはファンも多く、これを食べるために足を運んで下さるお客さまもいらっしゃいます。敷地内には自家製いけすもあり、新鮮な岩魚なども提供できます」

 「最近はジビエ料理に注目が集まっていますが、私は12〜13年前から研究しています(笑い)。鹿肉を使ったカルパッチョなどはお客さまの評判もいいですね」

──心がけていることは何でしょう。
 「小さな旅館なのでお客さまとの触れ合いを密にすること、そして大鹿村の良さを伝えること。日本秘湯守る会の初期メンバーというプライドを持ってお客さまをお迎えすることです」

【客室14、1泊2食1万1千円(税別)か】


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