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最新宿泊&施設情報  第2539号≪2009年11月21日(土)発行≫掲載
 伊勢神宮(内宮・外宮)参拝の行き帰りに、癒やしを求める空間に相応しく、ゆったり寛げる「伊勢にたたずむ王朝浪漫の夢見宿」と銘打つ『斎王の宮』が8日、オープンした。広大な森に囲まれた立地に、平安の世から幾つもの歳月を超えて今に伝わる「斎王」の歴史とロマンを再現し、非日常の上質空間でおもてなしを、というだけに、神に仕えた、清らかに生きる斎王たちの華麗な暮らしを随所に再現している。
趣向をこらした客室

 敷地は6万4千坪。周囲は一面、静寂な森で囲まれている。昔から敷地内にあった、公共のの宿「千の杜」(60室)に併設した形で造られているのが地上6建ての「斎王の間」(28室)。1階にロビーラウンジ、レストラン(オープンキッチン)やスパ・エステがある。2階以上はすべて客室となっており、部屋の作りはそれに相応しい雰囲気を折り込んでいる。

 それぞれの客室は全室が露天風呂つきで、ゆったりと浸かりながら森のイオンを満喫できるという、素晴らしい展開である。風呂上がりに、本を読むのもまた一興であろう。

 客室をつなぐ空間の調度品も、何となく厳かさが味わえる。客室も統一されてはいるが、一味違った「宮」らしい表現がある。
 
夕食の前菜

 夕食は、伊勢志摩の食材に贅沢さがあり、炭火焼きは伊勢エビ、サザエ、松阪牛などが美味しく味わえる。レストランのムードも良い。2人連れには恰好のひとときを過ごせる。朝食はバイキング形式で、地鶏の食材を吟味してある。
 
風情ある癒しの空間

 ここでは雅楽演奏会や観月会、王朝婚礼なども適時に催される。

 宿泊料金は1泊2食付き一人約3万円。客層はゆとりある、良さを分かってくれる人ということになろうが、中高年の夫婦や友達、カップルなど特に女性層に人気がある。オープン当初から満員盛況を続けている。

 問題は接客サービスということになろうが、非日常製を売るので、伝統文化の小規模高級旅館の接待(女将)ではなく、さりげなく若い男性スタッフがこなす趣向。この類のサービスでは、軽井沢にある「星のや」の手法に類似している。国立公園など大自然の中に点在する館などは、今このサービスが受けられているらしい。

 宿泊料金を少し下げてという層には、隣接されている「千の杜」があり、それなりに受け入れられる仕組みだ。
 
廊下の壁に

 東京からは、名古屋経由で近鉄の宇治山田駅下車が便利。送迎バスで通じる。伊勢神宮参りは周知の通りだが、今年は11月3日の文化の日に宇治橋がかけ替えて開通した。そぞろ歩きに随所に点在する大木に、いにしえを今に伝える風情ある癒しの聖地だ。

 また内宮の境内を行くと、江戸情緒が今なお残る、縦横の町並み「おかげ横町」がある。いろんな食べ物も楽しめるし、小物の調度品なども売っていて楽しい。

 「斎王の宮」の問い合わせは、三重県伊勢市佐八町池の上1165-1。電話0596-39-6611。

【伊勢市 斎王の宮  http://www.saiounomiya.com/
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