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最新宿泊&施設情報  第2604号≪2011年4月9日(土)発行≫掲載
 下部ホテル(山梨県身延町、矢崎崇社長)は露天風呂の新設や一部客室の改装などを行っていたが、3月18日にリニューアルオープンした。これを記念して、東日本大震災の救援キャンペーンも始めた。被災地域の1日も早い復旧・復興を願いながら、「改装なった当館にぜひ足を運んでほしい」と矢崎社長は力を込める。
岩風呂

 JR身延線下部温泉駅から歩いて1分の距離にある同ホテル。特急ワイドビューふじかわを利用すれば、甲府駅から約40分、静岡駅から約1時間40分で来れる。震災後、身延線は計画停電の実施で鰍沢口〜西富士宮間が運休、下部温泉駅までは列車が来なかったが、3月25日に、本数は少ないながらも運転が再開された。「ようやく(お客さまの)足が確保された」と胸をなで下ろす。

 同ホテルにはアルカリ性単純泉の「下部奥の湯高温源泉」と硫黄泉の「下部ホテル源泉」の2種類があり、実に12種の湯船を持っている。湯処「隠し湯の里 里楽」として、「ほたるの湯」「せせらぎの湯」「かじかの湯」の3つのお風呂を提供している。
 
車いすの人でも入浴できる

 今回、せせらぎの湯に3つの露天風呂を新設。これを機に、名前もせせらぎの湯から「松ぼっくりの湯」にかえた。ホテル周辺にある松林にちなんだものだ。

 露天風呂「岩風呂」は「自然のままに、心のままに」というホテルのコンセプトを表現、野趣溢れる造りに。その岩風呂の横に設けたのが「低温泉」で、湯船は2段になっており、半身浴にも適している。

 「檜露天」は8角形の檜の湯船と放射状の天井が特徴。湯船中央にある球形の大理石から温泉が出ており、檜の香りがリラックス効果を高める。露天風呂には脱衣所から直接行けるようにした。
 
檜風呂

 かじかの湯改め「竹とんぼの湯」としたお風呂は、30人ほどが入れる贅沢な大きさの湯船を貸し切りで楽しめる。「車いすの方でも簡単に入浴できるようになった。車いすは特注したものが2台あり、お身体の不自由な方でも温泉が楽しめる」と矢崎社長は笑顔で話す。予約していなくても空いていれば利用できる。

 客室については、東館の501〜510号室をリニューアルした。「なごみモダン和室」「なごみモダンツイン」「なごみモダングレードUP」の3タイプがあり、特別会席料理をゆっくり味わってもらえるよう、掘りごたつ風のテーブルを備え付けてある。ベッドはシモンズ社製のローベッドを導入。全室にソニー製の大型地デジ対応テレビを置いている。
 
掘りごたつ風のテーブル
ベットはシモンズ社製を導入

 宿泊料金は1泊2食で1人2万円程度だが、4月末まではキャンペーン価格で提供している。

 石原裕次郎が骨折の治療で長期滞在し、自ら命名した「裕林の間」を含む全7室の和風館「裕林亭」の趣、従業員による毎夜の太鼓ショーや餅つき大会など、伝統(創業82年)とアイデア溢れたおもてなしが宿泊客の心を引きつける。

 大震災の影響は計画停電という形で現れているが、自家発電装置を使って何とか乗り切っている。また、近くのガソリンスタンドとも契約しており、マイカー客も安心して来館できる体制を整えている。「ご不便をおかけしているが、精一杯のおもてなしでお迎えしたい」と矢崎社長は強調する。
 
【山梨県下部温泉 下部ホテル  http://www.shimobe.co.jp/
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