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最新宿泊&施設情報  第2698号≪2013年4月6日(土)発行≫掲載
 山梨県富士河口湖町にある富士レークホテル(井出泰済社長、74室)は、河口湖畔の中でも湖に最も近い景勝地にあり、富士山を望む高層階を持つ施設が売りだ。同ホテルでは、ユニバーサルデザイン(UD)を積極的に取り入れ、運営面でもUD対応を強化していることでも知られる。現在、23室がUD客室で、2011年12月には第10回目となる内閣府の「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」で優良賞を受賞した。また、山梨県内で唯一というミキハウス子育て総研の「ウエルカムベビーのお宿」認定施設でもある。
赤ちゃん連れからシニア層まで全ての人が利用しやすい、バリアフリー、ユニバーサルデザインの宿

 同ホテルではこのほど、2013年度の「方針発表大会」を催した。今年度の経営方針に加え、「サービス」「レストラン」「予約」「業務」の各責任者による取り組み方針説明が行われた。ホテル・旅館などのサービス業で、方針発表大会の開催は極めて珍しい。全従業員が新たな目標を共有するとともに意識改善を図ることが目的だ。

 当日は、昨年後半から「顧客カルテ」と「リピーター台帳」を作成し、運用を開始したと発表した。顧客の「浴衣サイズ」や「車種」、「食事のアレルギー」、「サービス中の対応注意」などが一目で分かるようにした。現在10%のリピーター率を、繁盛店の目安とされる20%まで高めることが目標という。
 
富士山の地下1500メートルから湧き出る天然温泉は赤ちゃんでも入浴可能
バリアフリー対応の富士山展望貸し切り風呂

 食事の改善も進める。現在、じゃらんの口コミグラフで朝食4.2、総合4.4という評価だが、今年度の数値目標に「じゃらん地域3位以内」を掲げた。その達成には、「朝食バイキングの評価を上げる必要がある」と同ホテル。また、「朝の食事メニューは、原材料費をそれほど掛けずに改善が可能」とも。具体的には、地産地消の導入と夕食同様、四季ごとにメニューを変更する予定。

 バリアフリーの取り組みをより「深化」させることも確認した。今年は、入浴用リフトの安全運用体制の確立を急ぐほか、外部の入浴介助手配の本格運用も行う。UD客室は、小さな子ども連れの家族にも需要があることから、昨年「ママ&ベビー(M&B)」の宿として本格的な取組を開始した。

 今年も積極的にM&Bの宿として売り込みを図る。具体的には、新規メディアを開拓し情報発信を強化するほか、M&Bの客層に特化した訴求力の高いプランを造成する。また、季節に合わせた子ども参加型イベントも充実させる方針だ。
 
赤ちゃんやお年寄りでも安心なフルフラットの客室
車椅子用でもゆったりくつろげる部屋には露天風呂も

 日本人客が少ない時期に補完的な販売が可能としてインバウンドの取り組みも強化している。一昨年からは海外向け予約サイトの「アゴタ」「エクスぺディア」「ブッキングドットコム」と順次、連携を開始。最近では自社ホームページをリニューアルし、英語ページを充実させた。今年は、富士山の世界遺産登録に期待が高まるなか、「より海外からの注目度が上がるチャンスを逃さない対策が必要」と話す。

 当日は、リョケンの木村臣男会長が招かれ総評を担当した。木村会長は、「老舗とされる企業は、常に新しいことに取り組んでいる。富士レークホテルも従業員からの新しいアイデアを積み重ねて改善を進めれば、さらに良い施設造りができる」などと述べた。
 
【山梨県富士河口湖温泉 富士レークホテル  http://www.fujilake.co.jp/
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