'12『風呂じまんの宿』27軒 |
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関東
<栃木県・日光中禅寺温泉> |
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7色に変化する硫黄泉 |
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男性大浴場 |
日光を象徴する山、男体山に抱かれ、穏やかな中禅寺湖を望むのがホテル四季彩(濱田紀州臣社長)だ。国立公園内にあるため、周囲は手つかずの自然のまま。館名の通り、四季の彩りを堪能できる。
日光といえば紅葉。ホテル四季彩の周辺は落葉広葉樹林で、秋にはナラやブナ、カツラが黄色に、ツツジやナナカマド、カエデが赤に染まり、色鮮やかな紅葉風景を楽しむことができる。
絶景もさることながら、ホテル四季彩のもう一つの自慢が風呂だ。湯元(奥日光)から引いた、四季折々で7色に変化する硫黄泉は「美肌の湯」とも言われている。「肌がすべすべになり、特に女性にお勧め」と濱田社長は言う。大浴場、露天風呂とも男女別になっている。
硫黄泉のため、乳白色の湯船の底にはたくさんの湯花が沈殿しており、“本物”の温泉を実感させてくれる。血管を拡張させる働きや殺菌・解毒作用に加え、発汗作用もあるため、ダイエット効果も。
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男性露天風呂 |
栃木県にはにごり湯を提供する旅館・ホテルの集まり「とちぎにごり湯の会」がある。入会資格はにごり湯であることのほか、(1)温度を下げるための加水以外はしない(2)掛け流しの湯船があること──で、ホテル四季彩もこの会員だ。
本物を味わうためか、「温泉目当てのリピーターが確実に増えている」と濱田社長。
手つかずの自然ならではのサプライズも。ホテル四季彩は男体山に住む鹿のテリトリーに入っているため、運が良ければ湖に水を飲みに行く鹿を湯船から見ることもできる。「警戒心もないので、ゆっくり見られる」とか。猿やムササビにも出会う可能性もある。また、夜に見る満天の星も入浴の楽しみの一つとなっている。
奥日光 ホテル四季彩/栃木県日光市中宮祠2485/TEL:0288-55-1010 |
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<栃木県・鬼怒川温泉> |
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絶景の空中庭園露天風呂 |
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空中庭園露天風呂(舟風呂) |
栃木県鬼怒川温泉のあさや(八木澤哲男社長)は、鬼怒川で最も高い場所に位置する空中庭園露天風呂をはじめ、さまざまなタイプの浴場を持つ。「子宝の湯」と名付けられた湯量豊富な自家源泉を所有。肌によいとされる効能豊かな湯が多くの人々に愛されている。
「秀峰館」屋上、鬼怒川の川面から80メートルの場所に位置する空中庭園露天風呂「昇龍の湯」は、周囲の山や渓谷を一望する絶景の湯。総ヒノキ造り舟形風呂、桶風呂、ヒノキ風呂、岩風呂、舟風呂と、タイプの違う5つの浴槽をそろえている。ヒノキをふんだんに使った総ヒノキ造り舟形風呂は、空に浮かぶ船に乗ったような気分で湯浴みを楽しめる。岩風呂とともに鶏頂山の眺めが自慢。男女入れ替え制なので、全ての湯を体験できる。
秀峰館の大浴場は、窓を大きく取り、ゆったりとした開放感のある湯。バブルに包まれる半露天ジャグジー風呂も備えている。
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貸し切り風呂(丁子) |
今年3月にリニューアルされた八番館大浴場は男女それぞれ露天風呂が併設されている。また女性用にはシルキー風呂・ナノミストサウナも備えられ、美と癒やしにこだわった施設となっている。
貸し切り風呂「福満宝尽くし『吉祥』打ち出の小槌の湯」は、「温泉に入って福を授かってもらいたい」と、振れば願いがかなうという打ち出の小槌を湯口に置いている。タイプの異なる4つの浴室を備える。50分4千円で、日帰り客も利用できる(別途日帰り入浴料が必要)。
192室の全客室にも天然温泉が引かれている。露天風呂付き客室も備え、館内で温泉ざんまいを楽しめる。
あさや/栃木県日光市鬼怒川温泉滝813/TEL:0288-77-1111 |
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関東
<栃木県・湯西川温泉> |
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「平家直孫」の源泉の湯 |
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緑に囲まれた露天風呂 |
昔、壇ノ浦の戦いに敗れた平家の落人が隠れしのんで生活していたという栃木県湯西川温泉。その直孫の宿として同地で300年以上にわたり営業しているのが本家伴久(伴輝彦社長)だ。
同館の露天風呂大浴場「藤鞍の湯」(男性用)は、今から820年以上前に発見されたという湯西川の源泉、その場所にある。清流湯西川に手が届くほど自然と一体化しており、湯は掛け流しでぜいたくに利用している。女性用「美肌の湯」も同様の趣。湯はその名の通り、肌をすべすべにするメタケイ酸たっぷりの泉質だ。神経痛、関節痛、うちみ、冷え性など、さまざまな病にも効くという。
大浴場は男性用「公達(きんだち)の湯」が昨年10月、女性用「子宝の湯」が今年4月にリニューアルオープン。いずれもヒノキに囲まれた広々とした空間。心身を優しく癒やしてくれる。
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広々とした大浴場 |
浴場施設はほかに、貸し切り露天風呂が3カ所。自然岩をふんだんに使った豪快な岩風呂「花満月」と「君待月」、白川石を使った船形の「夢夜舟」は、いずれも4〜5人で利用できるゆとりのある空間だ。
露天、半露天風呂付き客室は合わせて4部屋。どの部屋も次の間や寝室を備えた趣あるゆったりとした造りになっている。
武家屋敷風の重厚な本館と夕食処「平家隠れ館」は川で隔てられ、2つの施設は本州では珍しい「かずら橋」で結ばれている。橋は四国・祖谷の匠の手で架けられた。「人と人の絆が深まる縁結びの橋」として、恋人や大切な人同士で渡る風景が後を絶たない。
夕食は評判の創作囲炉裏会席をいただく。炭火で焼く深山の幸や、四季折々の旬の食材を用いた料理が楽しめる。体によい山菜ビュッフェの朝食も自慢だ。
本家伴久/栃木県日光市湯西川温泉749/TEL:0288-98-0011 |
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<茨城県・五浦温泉> |
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雄大な太平洋を眼下に |
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大観の湯 |
岡倉天心が日本美術院を移した茨城県の五浦海岸。日本有数の景勝地として有名で、天心のまな弟子、横山大観が好んで描いた松と日の出と月のモデルとなった場所だ。
その五浦海岸に建つ五浦観光ホテル(村田實社長)は、「和風の宿本館」と「別館大観荘」から成るがこのほど、別館大観荘の「大観の湯」がリニューアルオープンした。5月にオープンした和風の宿本館の「五浦の湯」と併せ、自慢の温泉をより一層楽しめるようになった。
源泉温度は71度と高温。ナトリウム・カルシウム・塩化物泉で、神経痛、慢性消化器病、疲労回復、筋肉痛、冷え性、健康増進、五十肩などに効能がある。
五浦の湯と大観の湯はともに、源泉かけ流しで提供する。大観の湯は、雄大な太平洋を眼下に天然温泉に浸れるとあって好評だ。宿泊者は、どちらの風呂も楽しめる。
五浦の名物は、あんこう料理。11月から3月末までの毎日、「あんこうの吊るし切りショー」を開催している。
五浦観光ホテル/茨城県北茨城市大津町722/TEL:0293・46・1111 |
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<群馬県・水上温泉> |
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「生オンセン」を味わう |
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紅葉の露天風呂 |
群馬県水上温泉の「源泉湯の宿 松乃井」(戸澤千秋社長)は、自家源泉を4本所有し、温泉を加水なしの源泉かけ流しで利用している。湯殿の底から源泉を湧き上げさせる「湧湯」は、まさに生の温泉。同館では、その魅力を多くの人に知ってもらおうと、自館の温泉を「生ONSEN'S」(生オンセン)とネーミングし、2009年に商標登録した。
泉質は刺激が少なく肌に優しい弱アルカリ単純泉。「美肌の湯」「美人の湯」と呼ばれ、特に女性客に喜ばれそうだ。神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復など、さまざまな疾病にも効くという。
大浴場、露天風呂、貸し切り風呂と、館内施設も多彩だ。新しい大浴場「雲水の湯」は広々とした湯浴処。女性用「麗人」はミストサウナとナッピングルーム(暖休憩室)、男性用「賢人」は高温サウナとナッピングルームを備える。
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紅葉の玄関 |
男女別の露天風呂「天煌の湯」は、同館自慢の日本庭園を眺めながら、ゆったりと極上のひとときを楽しめる。露天風呂へと続く庭園回廊が、名湯への期待感をさらに高めてくれる。
貸し切り風呂は2007年に開設した。「蒼空の湯」「清雅の湯」「夢想の湯」で、いずれもおしゃれで洗練されたくつろぎの空間。家族やグループでの利用に適している。
松乃井と利根川の間には、広大な日本庭園が広がる。敷地面積は1万坪。その名称を一般から募集したところ、全国から1183点もの応募があり、選考の結果、「華松園(かしょうえん)」に決定した。「四季折々の自然の華やぎを感じていただける庭園」という、そのイメージにマッチした名称として、採用が決定した。
源泉かけ流しの温泉ざんまいと日本庭園の散策、そして安心・安全と地元産にこだわった料理長渾身の会席料理で宿のひとときを過ごしてほしい。
源泉湯の宿 松乃井/群馬県利根郡みなかみ町湯原551/TEL:0278-72-3200 |
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<群馬県・磯部温泉> |
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4ヵ所の大浴場で湯巡り |
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2階大浴場 |
「舌切雀の伝説」が生まれた地で知られる群馬県磯部温泉の「舌切雀のお宿 ホテル磯部ガーデン」(櫻井丘子社長)は、4カ所の大浴場と露天風呂付き客室を備える温泉自慢の宿。館内にいながらにして湯巡りを楽しめる。
大浴場は男性用、女性用、それぞれ2つずつ。内湯4つ、露天風呂8つ、計12個の浴槽を備えている。
2階大浴場「楽山の湯(男、女)」は、思い切り手足を伸ばせる湯船に、男性用、女性用、それぞれに趣の異なる露天風呂を備える。男、女とも同じ広さにしているのが昨今のニーズにマッチしていてうれしい。
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1階露天風呂 |
1階大浴場「楽水の湯」(男、女)は、特に露天風呂がお薦め。香り豊かなヒノキ風呂をはじめ、野趣あふれる岩風呂など、男女合わせて6つの湯船が並ぶ癒やしの空間だ。
露天風呂付き客室は10室備えた。木の香りが心地よいヒノキ風呂や、信楽焼風呂など、各種タイプをそろえている。赤城山、榛名山、妙義山の「上毛三山」を一望するなど、眺望も自慢だ。
磯部は古くから湯治場としてにぎわっていたが、天明3年(1783)の浅間山大噴火で湧出量が飛躍的に増え、今日までの発展をしたといわれている。
温泉の成分は重曹食塩泉。特に神経痛、胃腸病に効果があるといわれる。
磯部は温泉マーク発祥の地としても知られる。地元農民の土地を巡るいさかいに対して出された幕府の判決文に、現在使われている温泉マークが記され、これが日本最古の温泉マークとして認められている。
東京から新幹線で約1時間という便利なアクセスから、「温泉会議力」と銘打ち、企業に対して宿泊を伴った会議利用も呼び掛けている。
ホテル磯部ガーデン/群馬県利根郡みなかみ町湯原551/TEL:0278-72-3200 |
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<群馬県・谷川温泉> |
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太宰も癒やした名湯の宿 |
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大浴場 |
谷川岳を目の前に望む閑静な温泉地、群馬県谷川温泉の「旅館たにがわ」(久保富雄社長)。清らかな空気と水をたたえるこの温泉地には、昭和11年、「走れメロス」や「人間失格」などで知られる作家の太宰治が病気療養のため1カ月近く滞在。同館の前身「川久保屋」に逗留し、小説「創世記」を執筆した。館内には旅館の創業30周年を記念して、平成22年に太宰のミニギャラリーがオープン。小説の初版本など、貴重なゆかりの品々が展示されている。
太宰も癒やした温泉は、江戸時代にわき出た数百年の歴史ある名湯。無色透明のアルカリ性単純泉で、神経痛や婦人病に効くなど、約20種類もの効能があるといわれる。
施設は男女の大浴場と露天風呂、貸し切り露天風呂、そして客室の露天風呂。
大浴場は24時間利用が可能。夜9時までに利用の場合は、ヒノキ枡に入った地酒やアイスクリームを賞味できる。露天風呂とともに、男女入れ替え制。大浴場のガラス戸の奥にある岩の露天風呂も風情たっぷりだ。
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足湯 |
貸し切りの展望露天風呂は2カ所。「ひのきの湯」(ヒノキの露天風呂)、「谷川の湯」(岩の露天風呂)と、それぞれ趣が異なる。谷川岳や近郊の山々を目の前に、自然の風に触れながら湯浴みを楽しめる。45分の利用時間で料金2500円。チェックイン時に申し込み可能。
客室露天風呂は特別室に備えている。湯船に浸かりながら周囲の自然をプライベート空間の中で体感できる。
このほか足つぼを刺激する歩行湯を備えた足湯も用意した。
温泉に入ったあとは、ギンヒカリのお刺身、上州牛、イワナの唐揚げと、この地ならではの料理を賞味したい。
旅館たにがわ/群馬県利根郡みなかみ町谷川524の1/TEL:0278-72-2468 |
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<群馬県・谷川温泉> |
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全室にかけ流しの露天 |
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紅葉を間近に臨む |
旅館たにがわの姉妹館、「別邸仙寿庵」(久保富雄社長)は、全室に谷川岳を望む源泉かけ流しの露天風呂を備えた宿。自然の息吹の中でゆったりとした時間を過ごせる。
客室は「特別室SP」「和室S」「洋室」「和室A」「和室B」「和洋室」の各タイプがある。
「ご夫婦の記念日に」と同館が薦める特別室SPは、12.5帖、8帖に茶室、広縁を備えた。周囲の自然を望む露天風呂は、パブリックと遜色ない広さのぜいたくな空間だ。
ほかに、「両親のご招待」に薦める和室S(12.5帖、次の間8帖、広縁)、「極上の寛ぎをリーズナブルに」という和洋室(和室8帖、ツインベッドルーム)など、バラエティに富んでいる。
パブリックの浴場は「一の蔵」「仙の蔵」の2カ所。一の蔵は石の内風呂と露天風呂、仙の蔵は木の樽風の内湯と石の露天風呂。周囲を木々に囲まれた露天風呂は開放感がいっぱい。
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客室付き露天風呂(特別室SP「しゃくなげ」) |
このほか、自然と一体となった寝湯の貸し切り風呂、デッキチェアを備えた足湯がある。ともに屋外にあり、目の前の自然を眺めながらの湯浴みを楽しめる(冬季は利用不可)。
温泉を楽しんだあとは体のケアにエステがお薦め。ボディ、フェイシャルなど、男女両方のメニューを用意している。
高さ8メートルの同館の象徴的な廊下「曲面廊下」、地元群馬の土を使った「スサ入り京土壁」、玄関自動ドアの上部に設置した「手漉き特殊和紙」、廊下壁面に描かれた「カリグラフィーアート」(絵と文字を用いたアート)など、館内の至るところにある独自の意匠も見どころの一つだ。
別邸 仙寿庵/群馬県利根郡みなかみ町谷川614/TEL:0278-20-4141 |
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<神奈川県・箱根湯本温泉> |
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旅人に至福の“湯悦” |
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露天風呂を備えた「清流の湯」 |
神奈川県箱根湯本温泉のホテル河鹿荘(井島誠行社長)は、源泉9本を所有し豊富な湯量を誇る。最上階から美しい山々を眺望する「清流の湯」と、早川のせせらぎが感じられる「早雲の湯」。二つの大浴場が、旅人に至福の“湯悦”を約束する。
大浴場は男女入れ替え制。清流の湯には、岩風呂、陶器風呂、ヒノキ風呂の三つの露天風呂と二つの内湯。早雲の湯には、岩風呂、ヒノキ風呂の二つの露天風呂と一つの内湯。アルカリ性単純温泉で露天風呂はかけ流しだ。
67の客室のうち15室が露天風呂付き。特に和洋客室に露天風呂を組み合わせた「集粋庵」(7室)は5年前のオープン以来、上質なくつろぎを求める宿泊客に好評を博している。
毎月献立を変える料理も自慢。相模湾の旬の魚介を中心に料理人が腕をふるった逸品がそろう。冬季限定の特別プランでは、下関直送のトラフグをフルコースで味わうフグ懐石が人気だ。
ホテル河鹿荘/神奈川県足柄下郡箱根町湯本688/TEL:0460-85-5561 |
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