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東北
<秋田県・乳頭温泉郷>
温泉・浴場 鶴の湯温泉
三百八十余年の歴史
鶴の湯温泉の露天風呂

 乳頭温泉郷の旅館8軒のうち、三百八十余年の歴史を持つ最古の温泉宿が鶴の湯温泉(佐藤和志社長)だ。

 「鶴の湯」は、マタギ(猟師)の勘助が、傷ついた鶴が湯で傷を癒していた場面を見たことが名前の由来になっている。泉質の異なる4種類の源泉が湧き、効能も異なる珍しい温泉だ。

 それぞれ、美人の湯「白湯」、子宝の湯「黒湯」、眼病に効く「中の湯」、打ち身や肩こりに効能がある「滝の湯」と名付けられている。白湯を源泉とした露天風呂もある。

 料理は、鶴の湯でしか味わうことができない「山の芋鍋」が絶品。粘りの強い「山の芋」をすりおろし、みそ仕立ての鍋に入れると、餅のような弾力と食感が生まれる。乳頭山の自然の恵みを生かした山菜、岩魚料理も自慢の一つだ。


鶴の湯温泉/秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50/TEL:0187-46-2139 HP
250選 ベストセレクション  

東北
<岩手県・鶯宿温泉>
温泉・浴場 ホテル森の風 鶯宿
高級志向の個人客に対応
露天風呂付き客室「四季彩」

 秀峰岩手山が望める岩手県・鶯宿温泉のホテル森の風鶯宿(室田義男社長)は、4階フロアをリニューアルし、露天風呂付き客室17室を設置した。高級志向の個人客に対応したもので、備品もグレードアップしている。

 ツインを基本とし、和室と洋室、和洋室をそろえた。客室の露天風呂も源泉掛け流しで、浴槽は檜製、陶器製、ツボ型の3種類を用意。坪庭と雄大な岩手の風景を楽しみながら、温泉を堪能できる。

 ベッドにはエアウィーヴ製のマットレスを使い安眠に気遣う。加湿空気清浄器や高級アメニティも置いている。夕食メニューは特別室と同じ。4階フロア全体が禁煙だ。

 「利用されたお客さまからは好評で、リピーターの確保につながっている」と企画課の立花隆氏。口コミで評判が広がることを期待している。


ホテル森の風 鶯宿/岩手県岩手郡雫石町鶯宿10-64-1/TEL:019-695-3333 HP
250選 ベストセレクション  

東北
<宮城県・秋保温泉>
温泉・浴場 ホテルきよ水
日本の心を味覚から
秋の料理の一例

 仙台の奥座敷、宮城県秋保温泉のホテルきよ水(山口千穂子社長)。清流、名取川のせせらぎを眼下に、自然の温もりと1400年の伝統を誇る名湯、そして「特に自信を持ってお届けしたい」という心づくしの料理が、訪れた人々をもてなしてくれる。

 京風懐石をベースに地元みちのくの食材をふんだんに使い、アレンジ。牛タン、仙台牛ステーキなど地域の名物や季節に応じたさまざまなプランがあり、利用客は好みのものを選べる。「熟練の料理人が、日々食材や季節天候に応じて最も味が引き立つ方法で心を込めて調理し、日本の心を味覚からもお届けいたします」。

 人数やプランに応じて部屋食、個室会食場での食事のどちらにも対応。朝食はバイキング対応をせず、1人用の和食膳を用意。ホテルの料理に対するプライドが垣間見られる。


ホテルきよ水/宮城県仙台市太白区秋保町湯元字平倉1番地/TEL:022-397-2555 HP
250選    

東北
<宮城県・南三陸温泉>
温泉・浴場 南三陸ホテル観洋
志津川湾を一望
海が眼前に迫る露天風呂

 宮城・志津川湾に浮かぶ海の館、南三陸ホテル観洋(阿部泰浩社長)。太平洋を望む絶好のロケーションが魅力で、穏やかな海は宿泊客の心を癒す。

 志津川湾を一望できる大浴場と露天風呂が自慢で、特に露天風呂から望む朝日は格別。早起きするだけの価値はある。カモメと一緒に入っている気分にさせ、思わず笑みがこぼれる。

 海のすぐ側にあるためか、塩水を感じさせるしょっぱいお湯で、「地下2千メートルから湧き出る深層天然温泉」という。

 男湯の「磯の湯」、女湯の「浜の湯」は2階にあり、大浴場、露天風呂、サウナそれぞれから海が見える。4階にも大浴場(巨釜の湯、神割の湯)があり、充実した設備を誇る。温泉に入った後は観洋自慢の海の幸を堪能、言うことなし!

南三陸ホテル観洋/宮城県南三陸町黒崎99-17/TEL:0226-46-2442 HP
250選 ベストセレクション  

東北
<山形県・かみのやま温泉>
温泉・浴場 日本の宿 古窯
最高級ブランド牛を賞味
米沢牛のすき焼き

 山形県かみのやま温泉の「日本の宿 古窯」(佐藤信幸社長)。みちのく屈指の名旅館は、敷地内で発掘された、今から約1300年前の奈良時代の窯跡にちなんでその名が付けられた。館内では素焼きの皿に絵付けをしてもらう楽焼を宿泊客らに楽しんでもらい、ギャラリーでは各界の著名人が描いた約3300枚の中から、約千枚の作品を展示している。石原裕次郎、美空ひばり、坂本九、岡本太郎など、その作品の数々は古窯の歴史そのもの。人柄や思想、哲学まで表現された、個性あふれる作品を見学したい。

高品質の「米沢牛」

 自慢の料理は、地元山形の素材にこだわった逸品。中でも牛肉は、純国産の最高級ブランド牛、米沢牛・山形牛を使用している。米沢牛は毎月一頭買いして、部位を余すことなく使用。きめ細かい霜降りと脂の質のよさが特徴の高品質の牛肉だ。「肉を切る専門の調理師がいるからこそ可能なこだわりの味と演出があります」と同館。すき焼き、ステーキ、和風ビーフシチュー、しゃぶしゃぶ、炭火焼きと、さまざまなメニューをそろえるが、人気のすき焼きは古窯特製のゴマだれで味わうのがおすすめの食べ方だ。

 使用するコメは地元の新種「つや姫」。10年の年月をかけて開発されたという新種は、「白さ」「つや」「甘み」が特徴。自慢の料理とともに味わってみたい。

 「古窯のもう一つのこだわり」という朝食は、54種類のメニューをそろえたビュッフェ。「採ってから数時間の野菜をお客さまに味わっていただこう」と、契約農家から毎日、朝採りの野菜を提供している。新鮮さと体に優しい有機栽培、減農薬栽培が特徴。安心、安全の食にこだわっている。

 「美人になれる」と評判の湯、蔵王連峰を一望する露天風呂、高品質のサービスを保証する「ISO9001」の認証取得と、食以外でも名旅館の名に違わぬ魅力とこだわりを兼ね備える。

日本の宿古窯/山形県上山市葉山5-20/TEL:023-672-5454 HP
250選 ベストセレクション  

東北
<山形県・天童温泉>
温泉・浴場 美味求真の宿 天童ホテル
和洋中で専門料理人
料理イメージ(秋)

 「美味求真の宿 天童ホテル」(押野宏社長)はその名に違わず美味を追求した料理自慢の宿だ。

 山形の旬の食材を使った、こだわりの和洋中の料理を提供。日本料理だけでなく、西洋料理、中国料理、それぞれの専門料理人が一品一品こだわり抜いて、新鮮でアイデアの詰まった料理を提供する。

 深い味わいとまろやかな脂質が魅力の山形牛、新鮮な地元産野菜。そして甘みとほどよい粘り、白く輝く大きな粒が特徴の「つや姫」と、あくまでも地元の食材にこだわる。また季節ごと、秘伝豆やさくらんぼ、いも煮といった山形ならではの食材や郷土料理が味わえるのも嬉しい。客室または個室の会食場で、ほかの客に気兼ねすることなくゆっくり食事を楽しめる。

 朝食バイキングも地元産中心の50種類以上のメニューをそろえ、豪華絢爛。「朝から素敵ステーキ」と銘打って客前で焼くステーキは、1日の元気の源となっている。

美味求真の宿 天童ホテル/山形県天童市鎌田本町2-1-3/TEL:023-654-5511 HP
250選    

東北
<山形県・蔵王温泉>
温泉・浴場 蔵王国際ホテル
名湯「八右衛門の湯」
八右衛門の湯

 山形県蔵王温泉の蔵王国際ホテル(伊藤八右衛門社長)。自慢の「八右衛門の湯」をぜひ体験したい。

 内風呂は丸太の梁をむき出しにした大胆な造り。天井高は最高6.5メートルと高く、前面ガラス張りで開放感たっぷり。いにしえの湯治場の雰囲気だ。湯は乳白色の硫黄泉で、100%掛け流しで使用。独特の香りと木の温もりが人々の心と体を優しく包み込む。

 露天風呂は二つの浴槽があり、それぞれに湯温が異なる。もちろん、冬の間の入浴も可能。

 貸し切り風呂は「山の恵み」「森の恵み」「里の恵み」の三つ。山小屋風のおしゃれな造りで、宿泊客は無料で利用できる。

 この7月には新しい客室「ジュニアスイート」がオープン。40平方メートルの広々とした部屋で、リビングとセミダブルベッド2台を備えたベッドルームで構成。八右衛門の湯に近い客室としても人気を集めている。

蔵王国際ホテル/山形県山形市蔵王温泉933/TEL:023-694-2111 HP
250選    

東北
<山形県・蔵王温泉>
温泉・浴場 タカミヤホテルグループ
源泉かけ流しの湯を24時間
風情豊かな格式

 タカミヤホテルグループ(岡崎彌平治社長)は、山形県内で9軒の旅館・ホテルを経営する、創業297年の老舗。蔵王温泉では「深山荘高見屋」を中心に5軒。日本海側では湯野浜、あつみ両温泉で各1軒。さらに昨年春には小野川温泉(米沢市)に「湯杜 匠味庵 山川」をオープン。今年から白布温泉(同)で「季味の宿 山の季」を経営している。誘客に力を入れ、県内全域の観光活性化に貢献したいと意欲的だ。

 中核施設の深山荘高見屋は、蔵王温泉の中でも最も奥の高台に位置する。創業は江戸時代の享保元年(1716)。間もなく創業300年を迎えようという老舗だが、歴史の重みと和モダンの内装がうまくマッチし、館内に落ち着いた雰囲気をかもし出す。

深山荘高見屋の露天桶風呂

 湯は自家源泉の掛け流し。湯量豊富な蔵王の湯を新鮮なまま、24時間楽しめる。

 本館1階の「長寿の湯」は、露天の桶風呂も備えた内湯。創業以来の昔ながらの木造の風呂は、湯治場としての風情を感じさせる。露天風呂付き客室を備えたスイート棟「離庵山水」にある「せせらぎの湯」も、石づくりの露天風呂や露天桶風呂、ひのき湯があり、風情がある。貸し切り風呂の露天「吉備多賀湯」と「山の慈(めぐ)み湯」も人気が高い。

 グループ運営の蔵王温泉内の5軒の風呂を湯めぐり気分で無料で楽しめるのも、温泉好きにはたまらない。

 同館の歴史の深さを知るには、「明治天皇行在所(あんざいしょ)」など、県内外の伝統ある家屋や土蔵5棟を蔵王の地に移築、復元した施設「童(わらべ)の里」もおすすめ。天皇家からの賜り物や江戸時代の藩主らが使った湯治具など、同館に代々伝わる品を展示しており、歴史、文化面での知的好奇心を満たしてくれる。

 「蔵王は信仰の山であり、温泉を含め、豊かな自然など癒やしのスポットも多い」と常務の岡崎純子さん。温泉とともに蔵王のさまざまな魅力を発見できる。

深山荘 高見屋(タカミヤホテルグループ)/山形県山形市蔵王温泉54/TEL:023-694-9333 HP
250選  

東北
<福島県・高湯温泉>
温泉・浴場 旅館玉子湯
乳白色の天然硫黄泉
秋の湯小屋「玉子湯」

 古くから奥州三高湯に数えられる、福島県高湯温泉。それを代表するのが旅館玉子湯(後藤省一社長)だ。多量に湧き出す乳白色のお湯は、加水、加温を行わない源泉かけ流しの硫黄泉。

 東北屈指の薬湯としても名高く、神経痛を始め諸病に悩む人々を癒してきた。このお湯に入ると、肌が玉子のように滑らかになることと、温泉のにおいがゆで玉子に似ていることからその名が付けられた。

 広々とした庭園をそぞろ歩くと、趣のある茅葺きの湯小屋「玉子湯」が140年前の創業当時と変わらぬ姿で湯浴み客を迎える。湯小屋からさらに歩くと、二つの野天岩風呂、女性専用の露天風呂、足湯が点在する。春から夏は輝く緑、秋は紅葉、冬は降り積もる雪を楽しみながら思う存分、湯めぐりを楽しみたい。

旅館玉子湯/福島県福島市町庭坂字高湯7/TEL:024-591-1171 HP
250選    
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