'14『こだわりの宿』39軒 |
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甲信越
<新潟県・越後湯沢温泉> |
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ホテル双葉 |
種類豊富な「
28(ふたば)
」の湯 |
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展望大浴場 |
越後湯沢温泉の中でもひときわ高い丘の上に建つ「ホテル双葉」(小林庄一社長)。最大の魅力はなんといっても風呂だ。温泉施設は名付けて「二十八(ふたば)の湯」。「ぱぱらく」「ままらく」「山の湯」「里の湯」の4カ所の大浴場があり、その中で28の湯巡りができることからこの名が付いた。薬草三昧の風呂や深さが110センチの「びっくり立ち湯」など、個性豊かな浴槽がそろう。
客室78室のうち29室が露天風呂付きというぜいたくさも魅力。
やすらぎ棟「花水木」では、花・水・木をテーマに、フロアごとに三つの「邸宅」を用意した。小グループ、2〜3世帯のファミリー、カップルの満足を満たす150平方メートルの空間。食事処「万葉の小径」や個室ダイニング「花暦」など、新しいプライベート空間も展開し、料理長こだわりの料理を提供する。
ホテル双葉/新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢419/TEL:025-784-3357 |
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甲信越
<新潟県・瀬波温泉> |
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夕映えの宿 汐美荘 |
夕陽と湯浴みを楽しむ |
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男性露天風呂「朝凪」 |
水平線に沈む夕陽の美しさが感動的な新潟県瀬波温泉。同温泉屈指の名旅館、今年創業50周年を迎えた夕映えの宿汐美荘(浅野謙一社長)は、風呂の種類も多く、夕陽を見ながらの湯浴みは、まさに至福のひとときだ。
温泉に対するこだわりは「温泉湯師」の存在が証明している。93度という高温の源泉を気温や風速のバランスを配慮して適度な湯温に調整。プロの匠の技が名湯を支えている。
2011年3月には、南館6階の客室をリニューアル。「Theオーシャン倶楽部」として新たにオープンした。源泉かけ流し露天風呂付きのスイートルーム、テラス付きベッドルームなど計7室。高級感あふれる客室から美しい日本海、水平線に沈む夕陽を眺められる。
夕朝食会場も「蒸気源ダイニングはまなす」として装いを新たにした。高温の源泉を使って蒸し上げる「源泉蒸し料理」を提供する。日本海の新鮮な幸、日本一にもなったブランド牛、村上牛など、ここでしか味わえないものを堪能してもらいたい。
夕映えの宿 汐美荘/新潟県村上市瀬波温泉2-9-36/TEL:0254-
53-4288 |
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甲信越
<新潟県・瀬波温泉> |
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ホテル清風苑 |
美人の湯を心ゆくまで |
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殿の湯大岩露天風呂 |
新潟県月岡温泉の「ホテル清風苑」(樋口恵一社長)は、「美人になれる温泉」で知られる月岡の湯を心ゆくまで堪能できる宿だ。温泉は今年で開湯百年。ホテルは今年で開業86年と、温泉地の歴史とともに歩んできた。男女2カ所ずつ、合計4カ所の大浴場と三つのテレビ付き貸し切り風呂があり、浴槽の数は合わせて15個。多彩な六つの湯船がそろう露天風呂は嵯峨人形風のマスコット「6つ子のお湯かけ小僧」が置かれ、愛敬ある姿で湯浴み客を迎えている。またエステルームもあり、女性に人気で心身ともにリフレッシュできる。
人や環境への配慮にも取り組む宿で、部屋には国産無垢材の自然素材を使用。煙草が苦手な人向けに禁煙ルーム16室を備えている。若く元気な客室係が多く、夕食の部屋出しなど、大型旅館でありながらきめ細やかなサービスを心掛けている。
ロビーでは毎晩9時から、スタッフによる踊りなど、夜のにぎわいを演出している。
ホテル清風苑/新潟県新発田市月岡温泉278-2/TEL:0254-
32-2000 |
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甲信越
<長野県・扉温泉> |
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明神館 |
時代に合った投資を続ける |
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立ち湯「雪月花」 |
温泉が多い信州でも特に「西の白骨、東の扉」と称される名湯・扉温泉の明神館(齊藤茂行社長)。1931年6月に創業、今年で84年目を迎える。
扉温泉の名前は、天の岩戸を開いた天手力雄命あまのたぢからおのみことが戸(扉)を戸隠神社に運ぶ途中にこの地で休んだという神話にちなむ。明神館は、創業者の齊藤武茂(たけも)氏が「神様たちの宿」という意を込めて名付けた。
明治初期に発見された扉温泉は「胃腸に効く」として湯治客の人気を集めてきた。山奥の小さな旅館だった明神館も、今では日本を代表する温泉宿に成長した。
扉グループはその後も時代に合った投資を続けた。「日本の旅館はかく在るべき」という信念に基づき発展した明神館のほか、伊豆河津に「秘湯の宿 運龍」、松本市内ではレストラン「花とびら」を運営。明神館の齊藤忠政専務が国の登録有形文化財を利用しレストラン「ヒカリヤ」を作り、東京駅丸の内JPタワーKITTE内の「信州松本ヒカリヤ」を運営するなど、一大観光グループとして注目されている。
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松本丸の内ホテル外観 |
さらに昨年6月、国宝松本城近くのホテルアルモニービアンを買収。「松本丸の内ホテル」として営業を始めた。
商都として栄えた松本市は、松本城と重要文化財の旧開智学校などの史跡のほか、なまこ壁の土蔵造りの店が並び、城下町の風情を残す「中町通り」、女鳥羽側を挟んで対岸にある城下町の街並みを再現した「縄手通り」など、伝統を大切に守る街並みが残り、観光客は歴史に触れながら散策を楽しむことができる。
松本丸の内ホテルは松本城から徒歩2分の好立地。高層階の部屋の北側からは松本城が見え、西側の高層階の部屋からは乗鞍岳をはじめとした北アルプス連峰を一望できる。特にスイートルームからの眺望は絶景だ。
明神館/長野県松本市入山辺8967/TEL:0263-31-2301 |
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甲信越
<山梨県・石和温泉> |
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華やぎの章 慶山 |
ステーキと旬彩懐石 |
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牛鉄板焼処「千」での食事風景 |
料理に定評のある華やぎの章慶山(千須和昌和社長)。2009年9月にステーキ懐石を提供する「牛鉄板焼処『千』」(カウンター12席)、10年3月に旬彩懐石の「客前割烹『昌』」(同8席)が相次いでオープン、真新しい施設での食事に宿泊客の評判は上々だ。
完全予約制。18〜19時半と20〜21時半の2部制を採っているため、ゆったりと落ち着いた雰囲気で料理を味わえる。
千ではシェフが目の前でもてなす甲州牛・甲州ワインビーフの鉄板焼きフルコースが、昌では板前が見事な腕前で魚を捌き、新鮮な刺身と熱々の天ぷらが楽しめる。
このほか、みのぶゆばをふんだんに使った「湯葉懐石」や野菜を中心に素材の効能を生かした慶山オリジナルの「薬膳料理」などもぜひ味わってほしい。
華やぎの章 慶山/山梨県笛吹市石和町市部822/TEL:055-262-2161 |
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甲信越
<山梨県・西山温泉> |
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慶雲館 |
世界で最も歴史ある旅館 |
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展望野天風呂「望渓の湯」 |
「全館源泉掛け流しの宿 西山温泉 慶雲館」(深澤雄二社長)は、今からおよそ1300年前の西暦705年創業。さまざまな部門の世界一を記録した「ギネス・ワールド・レコーズ」に、「世界で最も歴史ある旅館」として登録されている。現在の当主、深澤さんは52代目。歴史の重みを感じさせる宿だ。
温泉はこの地に流浪してきた都人の藤原真人が狩猟の途中に偶然発見。以来、現在まで枯れることなく湧き続け、武田信玄、徳川家康など多くの名将、文人がこの地を訪れ、湯に入ったと伝えられている。
自然湧出の源泉を4本持ち、泉質は含塩化土類芒硝泉(ナトリウム、カルシウム、硝酸塩、塩化物)。日本列島を横断するフォッサマグナの大地の裂け目から長年にわたり涵養されて湧出してくる名湯だ。
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創業1300年余の老舗
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2006年には開湯1300年のアニバーサリー事業として、宿のすぐ隣で温泉掘削をしたところ、泉温52度、日本随一という毎分1600リットル以上の自噴泉を掘り当てた。
合計毎分2千リットル以上の源泉を、展望大浴場、野天風呂など6種類の浴場ほか、客室風呂、給湯、シャワーで使用。いずれも加温、加水をせずに使っている。ただ、限りある自然の恵みを無駄遣いすることなく、使用湯量は湧出量の4分の1程度にとどめている。
温泉施設は同館の顔といえる野天風呂「望渓の湯」「白鳳の湯」と最上階の展望風呂「桧香の湯」「石風の湯」。ほかに、二つの貸し切り露天風呂がある。
料理は山里の恵みを生かした体に優しい会席。山と川の幸をふんだんに使い、海のものは一切使っていない。料理長の佐藤眞司さんは平成26年3月、第27回全日本日本料理コンクール郷土料理部門で国土交通大臣賞を受賞した腕前。至高の逸品を味わってもらいたい。
慶雲館/山梨県南巨摩郡早川町西山温泉/TEL:0556-48-2111 |
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甲信越
<山梨県・富士河口湖温泉郷> |
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若草の宿 丸栄 |
宿は舞台、私たちは役者 |
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世界文化遺産の富士山と河口湖が織りなす
360度の大パノラマを仰ぎ見る、屋上「富士山展望台」 |
従業員の接客の良さが高い評価を受けているのが山梨県・富士河口湖温泉の「若草の宿丸栄」(渡辺昭夫社長)だ。
「宿が舞台、お迎えする私たちは役者」を接遇のモットーに、宿泊客のチェックイン(開演)からチェックアウト(カーテンコール)までを1回の舞台公演にたとえ、その中で「従業員(役者)はマニュアル(台本)通りの動きに加え、それ以上の接客(機転を利かせたアドリブ)でお客さまを満足させる」ことを目指す。
そのため従業員教育には特段の力を注ぐ。「臨機応変な対応能力は基本の集大成」という信念のもと、接客マニュアルを日夜改善し、徹底的に仕込むが、マニュアル人間にならないよう現場での実践指導も怠らない。
また、短期間で即戦力に仕上げるために、研修では進行シートを用いて学んだことの理解度や習熟度をそのつど把握させ、週1回のペースで入念にチェックしていく。
さらに新人、若手、中堅、ベテランと、年代や勤続年数に応じて、達成すべき目標を個々の資質に合わせて設定し、定期的に実施されるさまざまな勉強会・講習会と併せ、総体的なレベルアップに努めている。
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河口湖が眼下に広がる、浮舞台総桧造りの
見はらし露天風呂「湖(うみ)の湯」 |
「人(お客さま)が人(従業員)に癒される宿を目指しており、喜ばれることに喜びを感じるスタッフの成長を見るのが一番うれしい」と同館。
若主人(渡辺洋専務)も自ら現場に立つ。夕食後のひと時に行う、昔懐かしい紙芝居や民話の語りだ。地域の観光イベントがない時期を中心に年間約100日上演。今年で19年目を迎えた。
日本演劇界の至宝と称された演出家が「人の世の喜怒哀楽を見事に表現し、観客の心の琴線を自在に奏でる名人芸」と絶賛した舞台は、上演を待ち望む人も多く、丸栄の名物となっている。
若草の宿 丸栄/山梨
県南都留郡富士河口湖町小立498/TEL:0555-72-1371 |
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甲信越
<山梨県・富士河口湖温泉> |
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秀峰閣 湖月 |
四季折々の冨士を楽しむ |
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露天風呂から眺める富士山 |
古来より山岳信仰の対象として日本人の心のよりどころとなってきた富士山。昨年ユネスコの世界文化遺産に登録され、その魅力は海外でも注目されている。山梨県・富士河口湖温泉郷の秀峰閣湖月(小佐野国博社長)は客室、大浴場など館内どこからでも富士の姿を眺められると評判の宿。
宿から一歩外に出れば湖畔の波打ち際。「湖面越しに眺める富士山は稜線がはっきりとし、麓まで分かる。形はほぼ左右対称。ここまで美しい富士はなかなかない」と宮下武常務。
夏の赤富士、秋は紅葉を添え、冬の雪山、春は桜と共に、と四季折々の趣を楽しめる。天候により富士山を視認できる確率は半々。「ご覧いただけたお客さまはその日とてもご機嫌です」と宮下常務。雨天のときは富士山の絵葉書を渡す。
秀峰閣 湖月/山梨県南都留郡富士河口湖町河口2312/TEL:0555-76-8888 |
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甲信越
<山梨県・富士河口湖温泉> |
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風のテラスKUKUNA |
レストランを刷新 |
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板焼レストラン「GEKKO」月虹 |
全ての部屋から富士山と河口湖が一望できる眺望絶景の宿「風のテラスKUKUNA」(宮下明壽社長)。天空に浮かぶ露天風呂が自慢だが、料理もまたKUKUNAの自慢の一つだ。旬の素材と地元食材にこだわったレストランが今春リニューアルオープンした。
その一つが、お客さまの目の前でシェフが焼き上げる麦芽牛、新鮮な魚介類を楽しめる鉄板焼レストラン「GEKKO」だ。もう一つは、和洋食のコラボのコース料理とサラダ、デザートなどのビュッフェの組み合わせが楽しめる、メインダイニングの「MOON BOW」。
進化するKUKUNAの魅力が一段とアップした。
風のテラスKUKUNA/山梨県南都留郡富士河口湖町浅川70/TEL:0555-83-3333 |
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