'12『こだわりの宿』26軒 |
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東北
<岩手県・鶯宿温泉> |
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ホテル森の風鶯宿 |
岩手山望む空中露天 |
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空中露天風呂 |
岩手県鶯宿温泉のホテル森の風鶯宿(室田義男社長)は、秀峰岩手山を望む北東北屈指のスパリゾート。露天風呂から絶景を一望し、自然を満喫しながら温泉で心と体を癒すことができる。大浴場は洋風と和風の2種類で、男女入れ替え制のため、1日の滞在でどちらの湯も満喫できる。
和風風呂は室内大浴場、半露天風呂、空中露天風呂の3種。空中露天風呂では岩手山の雄大な景色をさえぎるものなく広い視野で堪能できる。大浴場にはドライサウナもある。洋風風呂も室内大浴場、半露天風呂、空中露天風呂の3種を装備。空中露天風呂からは雄大な雫石盆地の景色を一望する。室内大浴場はヨーロッパの宮殿をモチーフとした優美なデザイン。
泉質は単純硫黄泉。冷え性、肩こりなどさまざまな病に効く。
同じ敷地には日帰り入浴施設「森のしずく」やウォーターパーク「けんじワールド」がある。
ホテル森の風鶯宿/岩手県岩手郡雫石町鶯宿10-64-1/TEL:019-695-3333 |
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東北
<福島県・高湯温泉> |
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旅館玉子湯 |
乳白色の天然硫黄泉 |
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秋の湯小屋「玉子湯」 |
古くから奥州三高湯に数えられる、福島県高湯温泉。それを代表するのが旅館玉子湯(後藤省一社長)だ。多量に湧き出す乳白色のお湯は、加水、加温を行わない源泉かけ流しの硫黄泉。
東北屈指の薬湯としても名高く、神経痛を始め諸病に悩む人々を癒してきた。このお湯に入ると、肌が玉子のように滑らかになることと、温泉のにおいがゆで玉子に似ていることからその名が付けられた。
広々とした庭園をそぞろ歩くと、趣のある茅葺きの湯小屋「玉子湯」が140年前の創業当時と変わらぬ姿で湯浴み客を迎える。湯小屋からさらに歩くと、2つの野天岩風呂、女性専用の露天風呂、足湯が点在する。春から夏は輝く緑、秋は紅葉、冬は降り積もる雪を楽しみながら思う存分、湯めぐりを楽しみたい。
旅館玉子湯/福島県福島市町庭坂字高湯7/TEL:024-591-1171 |
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東北 <山形県・かみのやま温泉> |
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日本の宿 古窯 |
楽焼きが物語る良縁の歴史 |
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楽焼きギャラリー |
山形県かみのやま温泉の名旅館「日本の宿 古窯」(佐藤信幸社長)。その名は敷地内から発掘された、1300年前の奈良朝時代の窯跡から付けられた。窯跡は発掘時そのままの姿で保存し、窯神社として窯の神を奉り、旅行客の安全と開運を祈願している。
館内の楽焼きギャラリーには古窯に宿泊した各界の著名人が描いた楽焼き約4千点の中から、約300枚が展示されている。石原裕次郎、美空ひばり、坂本九、岡本太郎など、その作品の数々は古窯の歴史そのもの。人柄や思想、哲学まで表現された、個性あふれる作品を見学したい。
宿泊客も館内で素焼きの皿に絵付けを体験できる。翌日には仕上がるので、旅の思い出として持ち帰ることができる。
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雄大な蔵王連峰を望む「古窯」 |
古窯の魅力は楽焼き以外にも地元ブランドのコメ、野菜、一頭買いする米沢牛料理など数々あるが、最も外せないのが、泉質だろう。3大美人泉質として知られる「ナトリウム・カルシウム・塩化物・硫酸塩温泉」が湯船に注がれる。天然の化粧水とも言われるメタケイ酸の含有量が1千ミリリットルに対し、50ミリグラム以上なら美肌に有効だとされているところ76ミリグラムも含まれている。肌の水分や脂を適度に保つだけでなく表皮細胞の角質化を促進し、しっとりとキメの細かい肌を作ってくれる。
風呂は1泊では回りきれないほどバラエティに富んでいる。8階の展望大浴場では、蔵王連峰の絶景と、歌聖・斉藤茂吉翁の故郷を一望。夜はかみのやまの夜景、夏には満点の星空を堪能できる。1階の紅花風呂は、山形特産の紅花を染料として使うため、京の都に運んだ北前船を、船大工が10分の1の大きさで再現したものが飾られている。山形の歴史に思いをはせながら、ゆったりと湯浴みを楽しみたい。
日本の宿古窯/山形県上山市葉山5-20/TEL:023-672-5454 |
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東北
<山形県・蔵王温泉> |
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タカミヤホテルグループ |
源泉かけ流しの湯を24時間 |
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風情豊かな創業296年の格式 |
タカミヤホテルグループ(岡崎彌平治社長)は、山形県内で8軒の旅館・ホテルを経営する、創業296年の老舗。蔵王温泉では「深山荘高見屋」を中心に5軒。日本海側では湯野浜、あつみ両温泉で各1軒。さらに今年春には小野川温泉(米沢市)に「湯杜 匠味庵 山川」をオープンした。誘客に力を入れ、県内全域の観光活性化に貢献したいと意欲的だ。
中核施設の深山荘高見屋は、蔵王温泉の中でも最も奥の高台に位置する。創業は江戸時代の享保元年(1716)。間もなく創業300年を迎えようという老舗だが、歴史の重みと和モダンの内装がうまくマッチし、館内に落ち着いた雰囲気をかもし出す。
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深山荘高見屋の露天桶風呂 |
湯は自家源泉のかけ流し。湯量豊富な蔵王の湯を新鮮なまま、24時間楽しめる。
本館1階の「長寿の湯」は、露天の桶風呂も備えた内湯。創業以来の昔ながらの木造の風呂は、湯治場としての風情を感じさせる。露天風呂付き客室を備えたスイート棟「離庵山水」にある「せせらぎの湯」も、石づくりの露天風呂や露天桶風呂、ひのき湯があり、風情がある。貸し切り風呂の露天「吉備多賀湯」と「山の慈(めぐ)み湯」も人気が高い。
グループ運営の蔵王温泉内の5軒の風呂を湯めぐり気分で無料で楽しめるのも、温泉好きにはたまらない。
同館の歴史の深さを知るには、「明治天皇行在所(あんざいしょ)」など、県内外の伝統ある家屋や土蔵5棟を蔵王の地に移築、復元した施設「童(わらべ)の里」もおすすめ。天皇家からの賜り物や江戸時代の藩主らが使った湯治具など、同館に代々伝わる品を展示しており、歴史、文化面での知的好奇心を満たしてくれる。
「蔵王は信仰の山であり、温泉を含め、豊かな自然など癒しのスポットも多い」と常務の岡崎純子さん。温泉とともに蔵王の様々な魅力を発見できる。
深山荘 高見屋(タカミヤホテルグループ)/山形県山形市蔵王温泉54/TEL:023-694-9333 |
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