外観 |
従業員の接客の良さが高い評価を受けているのが山梨県・富士河口湖温泉の「若草の宿丸栄」(渡辺昭夫社長)だ。「宿は舞台、お迎えする私たちは役者」という考えのもと、日々の従業員教育に力を入れている。
あるサイトのクチコミ情報に、丸栄の接客サービスについて次のような感想が載っていた。
「写真を撮ろうとした時、近くまで駆け寄ってきて『お撮りしましょうか』と写真を撮ってくれた。外出する時も、近くにいた仲居さんが整列して1回1回あいさつしてくれた。若い人たちが多いのに、礼儀正しく上品で、教育がしっかり行き届いている感じがした」
宿泊客のチェックイン(開演)からチェックアウト(カーテンコール)までを1回の舞台公演に例え、その中で、「従業員(役者)はマニュアル(台本)通りの動きに加え、それ以上の接客サービス(アドリブ)でお客様を満足させる」ことを目指す。
見はらし露天風呂「湖(うみ)の湯」 |
そのため従業員教育には特に力を入れる。「基本が分かっていないと応用はできない」という信念のもと、接客マニュアルを日夜改善し、それを徹底的に仕込むが、マニュアル人間にならないよう、現場での実践指導も怠らない。また、短期間で即戦力に仕上げるために、研修では進行シートを用いて、学んだことの理解度や習熟度をその都度把握させ、週1回ペースでチェックしていく。
「旅館には衣食住を提供し、さらにお客様の命をお預かりする責務がある。お客様に『この人なら任せて大丈夫』と安心していただけるところまで接客サービスのレベルを高める」と目標を高く掲げる。
「人(お客様)が人(従業員)に癒される宿を目指しており、お客様から『感じのいい人たちだ』と言われるのが一番嬉しい」と同館はいう。
□若草の宿丸栄
山梨県南都留郡富士河口湖町小立498
TEL0555・72・1371
http://www.maruei55.com/ |